新型Mac miniと一緒に静かにとんでもないものが出てきました。Appleとして初めて2nm世代の製造プロセスで作られたM6チップであり、しかもNeural Engineを2基積むという初めての構成を採っています。派手なイベントもなくプレスリリースの中で登場したものの、半導体の節目としてはここ数年で最大級の話になります。

ダイの中で並んで光る2つの領域。Neural Engine 2基のイメージです。
M6の中身の整理
- 2nmプロセス製造 … トランジスタ密度が上がり、性能と電力効率が改善。Appleは製造元を明言していないが、業界の構図からTSMCの2nm世代とみられる
- CPUは12コア … スーパーコア2+高性能コア4+高効率コア6。M5から2コア増
- Neural Engineを2基搭載 … 16コアのNeural Engineを2つ積み、自動で同時に使う。ピーク時のAI計算は従来世代の最大2倍
- GPUは12コア … 各コアにNeural Accelerator内蔵。GPUのAI計算はM1比で8倍超
- メモリ帯域は170GB/s。M5比で1.2倍のマルチスレッド性能
Neural Engine 2基が意味するもの
今回の目玉は、プロセスの微細化そのものよりも「AIの計算器官を2つ積んだ」ことだと思います。
CPUやGPUのコア数はこれまでも毎年増えてきましたが、Neural Engineは長らく「16コア1基」が定位置だったものを倍にしており、折しもiOS 27の刷新Siriはサーバー容量が足りず順番待ち制で始まる状況です。Appleの答えは明白であり、クラウドのAIはコストや処理の順番待ち、プライバシーの説明も難しいため、できる限りの処理を端末側に降ろしたいということです。端末のAI性能を上げるほどこの三重苦が軽くなるため、M6世代のMacやiPhoneが1〜2年かけて行き渡ればSiri AIの行列も短くなっていくはずです。
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チップ世代の混乱も、これで一段落が見える
先日「iMacが最初のM6搭載機になる可能性」と書きましたが、蓋を開ければ初のM6はMac miniでした。これでApple Siliconの当面の絵はこうなります。無印M6はMac miniから始まり年内のiMacへ、上位のM5 Pro/Max/UltraはMac miniとMac Studioと秋のMacBook Proへ向かい、M6のProとMaxは作らずに次はM7へ跳ぶことになるため、「無印は最新世代、上位は一世代待つ」という新しいリズムになります。
中国から見た「2nm」という数字
ここからは中国在住者としての話です。
この「2nm」という数字は、中国のテック業界では単なる性能自慢とは違って輸出規制の壁の高さを測る物差しという特別な響きを持ちます。
中国国内の最先端ファウンドリはEUV露光装置の禁輸により旧世代の装置を工夫して使う微細化を強いられてきたため、国産チップの量産水準とTSMCの2nmとの間には依然として数世代分の開きがあります。Appleが2nmを消費者向けの899ドル(約14万円)の箱に載せて出荷し始めたという事実は、その開きを誰の目にも見える形にしました。
一方で中国側もただ見ているだけではなく設計やパッケージングやメモリでは猛追が続いており、AppleがCXMTの中国製メモリをテストするところまで来ているのは先日書いたとおりです。ロジック半導体の最先端では差が開いたままでメモリでは肉薄するという非対称性が、いまの半導体戦争の実際の姿だと言えます。
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2nmの初物を899ドルで試せる
歴代のApple Siliconの初物はM1がMacBook AirでM4がiPad Proでしたが、今回の2nm初物はMac miniであり、最先端プロセスの1号機としては、史上いちばん安い入口かもしれません。私もそろそろM2 Pro Mac miniをM6モデルに買い換えようかな。。とも考えたものの、M2 Proで何も不自由していないので暫くはそのまま使うつもりです。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)
※記事中の画像はイメージです。円換算は1ドル=159.13円(三菱UFJ銀行が2026年8月26日に公表した対顧客外国為替相場の仲値TTM)で計算しています。

