3月12日にロングボウ・リサーチ(Longbow Research)が公表したデータによると、中国の消費者がAppleのiPhoneに対する興味は既に失われつつあるとされています。その根拠として、ネット上でiPhoneを検索するユーザ数がどんどん減っていることが挙げられています。
Longbow Researchによれば、今年2月の中国独自のサーチエンジン百度(baidu、バイドゥ)で検索された”iPhone”のキーワード検索数は前年同月比で49%ダウンしているということです。ちなみに1月も前年同月比で50%減となっていて、2月はそれよりもほんのわずか減少が収まったともいえますが、実際既に連続して5ヶ月下降が続いていることになります。Appleは昨年第四四半期の大中華圏でのiPhone販売が大幅にダウンしたことから、中国のECチャネルにおいて大幅な値下げをすることでテコ入れを図ろうとしているのは、当ブログでもお伝えした通りです。
が、この恐らく苦渋の決断による、Appleにとってはかなり例外的だった値下げ作戦も功を奏すことなく、中国でのiPhoneに対する需要は日に日に低迷していっているといえます。
火曜日に、Longbow Researchのアナリスト、ショーン・ハリスン(Shawn Harrison)氏はレポートの中で「(Appleは)何度もiPhoneの値下げ調整をしてきましたが、iPhoneの中国での検索数が更に減少することを食い止めることはできていません。今年2月のApple・iPhoneのサプライヤーの販売状況をみれば、相当酷い有様です」と記しています。
Longbow Researchのレポートによれば、百度のiPhoneキーワード検索の減少傾向が、そのままiPhoneの中国での需要を反映しているとされています。なぜなら、過去4年間で、この百度でのiPhone検索傾向と中国市場でのiPhone年度販売高は74%もの相関性があり、更にiPhoneの中国での出荷台数とは82%の相関性があったからだということです。
Longbow Researchは更に、今年2月のiPhoneの販売台数を前年同期比5%低下したとし、また前月の1月に比べて30%以上の落ち込みがあったと推測しています。また42のAppleサプライヤーのうち、37社が公表した売上げが芳しくない状況です。
今週月曜日、Appleは3月25日(日本時間3月26日未明)にスペシャルイベントをカリフォルニア州クパチーノの本社、Apple Park内のスティーブ・ジョブズ・シアター(Steve Jobs Theater)で行うことを発表し、メディアに対して招待状を発行しました。恐らく、Apple NewsとApple ストリーミング動画サービス、そして次世代iPad(iPad 7)やAirPods 2、AirPowerなどが発表されるのではないかと見られます。このスペシャルイベントによってAppleは再び注目されることは間違いありませんが、iPhoneの販売台数がまだプラスに反転していない状況から、上記のアナリスト・ハリソン氏はAppleの株を中くらいのランク付けで評価しています。
確かに、中国ではiPhoneに対する興味が急激に冷めているのを感じます。中国国産メーカーのHUAWEI、VIVO、OPPO、小米などのメーカーがこぞって中国国内で広告を繰り広げていて、しかもHUAWEIなどはiPhoneよりも遥かに性能がいいカメラを搭載していて、それでいて価格は半分程度です。iPhoneが売れなくなってシェアが低下しているのもわかりますね。特に今年のiPhone XS/XS Maxの超強気な価格設定が、最終的にユーザ離れを招いた可能性があります。
もし今年のiPhoneは上位機種(メモリが大きい機種?)のみトリプルレンズカメラを搭載するようですが、その価格がまたiPhone XS Maxレベルかそれ以上に高ければ、私は購入しないと思います。今年秋以降はもしかしたらHUAWEI Mate 20 Proの後継機に手を出してしまうかもしれません。。
記事は以上です。
(記事情報元:Bloomberg)