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Appleの元社員が明かす:4年以上進んだテクノロジーしか採用しない

毎年我々はApple製品で新しいテクノロジーが使われていることに慣れているが、実はこれらは製品がリリースされる数年前にAppleの開発リストに入っていたという。

Appleの開発理念:最速よりも最良

Appleは先を競うことはほとんどない会社だ。新しいテクノロジーにせよ、新ジャンルの製品にせよ、Appleはそれを他の会社に先駆けて世界で初めてリリースし市場に持ち込むということは一般的にはしない。Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOはこれまで何度も、「最も早い」というのはAppleの求めるものではなく、彼らの目標はずっとあくまでも「最もいいもの」であると語っている。つまり、製品であろうと技術であろうと、Appleは基本的に厳密な検証を行った後に市場にリリースするということなのだ。

とある匿名のAppleの元社員が数日前に海外のメディアに対して、Appleの新製品開発の理念についてこのように語っている。「どんなジャンルの製品でも、Appleはリリースされる前にUXが素晴らしいものになることを確保する」。2008年、Appleが太陽光発電・充電テクノロジーのテストを始めたというニュースが流れていたにもかかわらず、これまでiPhoneやMacに搭載されたことがないのはそのためだという。

それでは、どの程度のUXになれば合格なのか?この元社員によれば、例えば太陽光充電ができるようなiPodを開発するならば、長時間太陽光に直接当てるテストをし、または実際に試験を担当するエンジニアが太陽光の下で座りつつiPodで音楽を聴くという実際の使用状況に沿った検証をするという。そしてこれらのテストを通過しなければ、太陽光充電可能なiPodはリリースされないという。NFCも同様で、Appleのライバルがずっと前から続々とNFC搭載フラッグシップモデルをリリースしても、Appleは慌てず騒がず、Apple Payまで搭載を待ったのは記憶に新しい

Appleの元社員は更に“防水技術”についても挙げている。彼が在職中に、Appleは確かにiPodに対してありとあらゆる防水テストを行ったが、100%の防水効果が上げられないため、結局iPodにはその機能は追加されなかったという。ちなみにAppleのテストで、1台の動画を再生しているiPod Touchを技術者がゲータレードの中に落としても全く問題なかったという。しかし毎回のテストで100%の防水結果が出なかったため、Appleは最終的に防水iPodをリリースするプランを中断したのだとか。

Appleは更に広告のキャッチコピーにも細心の注意を払っている。Appleは100%の理想的な効果が検証できるまでには、製品のオフィシャル広告でそのテクノロジーのことはいわないようにしている。例えばApple Watchでは、実際には一定以上の防水性能があることがわかっているが、Apple公式としては「生活防水」程度の表現となっていて、ユーザに対してApple Watchを直接水に沈めることは推奨していない

そしてAppleは技術開発をしたり特許を申請するときに、その技術が少なくとも「業界よりも4年以上進んでいるか」を考慮に入れるという。元社員によれば、彼がAppleで仕事をしていた頃、同社は既にNFCや指紋センサー技術を研究していたが、これらの技術はここ1〜2年でようやくApple製品に採り入れられた技術となったことがそれを証明しているという。

 

画蛇添足 One more thing…

確かに、新しい技術や製品についてはAppleはかなり慎重に検証を重ねているようだ。

しかし、もちろんAppleも100%完璧というわけでない。ハードウェアではiPhone 4の”アンテナゲート”問題、ソフトウェアではOS X YosemiteやiOS 8、iCloudやApple Musicの初期のエラーなどは、個人的にもとても十分にテストと検証を経てからリリースされたとは思えない酷い完成度だったと言わざるを得ない。最近、iPhoneなど主力製品はあまりに機能が多くなり複雑化されてきた。そして最速を求めず最良を求める割には、株価の為にどうしてもリリース時期を固定せざるを得なくなったこともその原因にあるだろう。

iPhoneはiPhone 4s以降は9月或いは10月に毎年のリリースが義務づけられ、iOSやOS Xも毎年メジャーアップデートが求められ、実際最近は毎年リリースしなければならないというハードなペースになってしまっているのは誰でもご存じの通り。Appleにはもう少し検証の時間があってもいいのではないかと思う。ユーザに検証させて直してよくしていくというスタイルは、Appleにはあまり合っていないような気がする。正直安くないデバイスには、もっと徹底的な検証があっていいはずだ。いくらベータテストを重ねたとしても、上記のような問題が起こるのだから。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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