米国時間1月6日、Appleは米国証券取引委員会(SEC)にレポートを提出した。その内容は、2016年のAppleの業績が予測を下回ったため、AppleはCEOのティム・クック(Tim Cook)を含め多くの高級幹部の給与をカットするというものだった。
Apple、2016年の純売上高と営業利益が前年比ダウン
Appleが高級幹部の評価をする際には、純売上高と営業利益の2つの数字が評価対象となる。データによると、Appleは2016年の純売上高は2,156億ドル(約25兆2,144億円)、営業利益は600億ドル(約7兆170億円)で、どちらも昨年よりもダウンした。2015年の純売上高は2,337億ドル(現在のレートで約27兆3,312億円)で、営業利益は712億ドル(約8兆3,268億円)だったからだ。
つまり、Appleは2016年の純売上高が昨年より7.7%、営業利益は15.7%もダウンしたことになる。
目標に達しなかったため、6人のSVPの給与カットへ
そしてこの結果がAppleの経営グループが定めた目標、純売上高2,236億ドル(約26兆1,500億円)と営業利益603億ドル(約7兆520億円)を下回ったため、6人のAppleの高級幹部の給与がカットされることになった。
なお、今回給与カットされた高級幹部のうち、クックCEO以外には、以下のメンバーがいる(ちなみに全員肩書きは上級副社長=シニア・ヴァイス・プレジデント=SVP)。
- Luca Maestri(ルカ・マエストリ),CFO
- Angela Ahrendts(アンジェラ・アーレンツ)、小売担当
- Eddy Cue(エディー・キュー)、ネットワークソフトウェアとサービス担当
- Dan Riccio(ダン・リッキオ)、ハードウェア担当
- Bruce Sewell(ブルース・シーウェル)、法律顧問
クックCEOはトータルで報酬ダウン、過去3年でも最低レベルに
ちなみにクックCEOの2016年の年俸は875万ドル前後(約10億2,331万円)。2015年の1,028万ドル(現在のレートで約12億円)に比べ15%ほど少なくなっている。実際はクックの基本給与は2016年初から200万ドルから300万ドルに増加されているが、ボーナスが大幅に下がったことで、2016年のクックCEOの総報酬は前年に比べ150万ドル下がることになる(とはいえ地球上の殆どの人に羨ましがられるほどもらっているが、クックCEO自身は殆どの資産をチャリティに投じている人物でもある)。
Appleの2016年は営業収入も15年来のダウン、ただしサービス業務などはアップ
またAppleの会計年度2016年では、Appleの営業収入が15年来初めてのダウンとなり、iPhoneの販売も理想的なものではなかった。ただ、Appleのサービス業務は前年比22%アップとなっており、App Storeのアプリストアの収入も過去最高を更新している。
画蛇添足 One more thing…
サービス業務やApp Storeの収入はアップしているのに報酬を下げられてしまったエディー・キューとしては、いくら決まりとはいえちょっと納得がいかなかったところがあるのではないだろうか(ただし、基本給与の見直しがあるかもしれない)。
なお、今回AppleのSVPの中で、CDOのジョニー・アイブ(Jony Ive)とCOOのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)が給与カットの対象になっていないことは注目に値する。個人的にはデザインの総責任者のジョニー・アイブが全ての製品のデザインに本気で取り組んでいないことが、Apple製品のイノベーションを阻害しているような気がしているのだが。。
記事は以上。
(記事情報元:iFanr)