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Apple、中国のユーザにApple Musicを提供するために百度と提携してアプリ提供開始

Appleは中国音楽市場を【Apple Music】サービスで制覇することができるだろうか?

Apple MusicのAndroid用アプリは、中国国内ではダウンロードできない状態だった

Appleは昨年開始した音楽ストリーミングサービス【Apple Music】について、昨年11月にはAndroid版の提供を開始した。しかしそのアプリはGoogle Playアプリストアに公開されたため、Googleへのアクセスが遮断されている中国大陸のAndroidユーザはApple Musicが使えないという状況に陥り、非常に不便だった。それでもどうしても使いたい人は正規版の保証がないアプリを別途ダウンロードしてインストールする必要があった。

このことがApple Musicの中国進出の足かせになっていたことは否めない。

Appleが百度と提携、Android版Apple Musicアプリを中国の百度アプリストアでもダウンロードできるように

そんな中国大陸のAndroidユーザが正式版を便利に手に入れられるように、AppleはApple Musicアプリを中国の最大のAndroidアプリストアのうちの1つ、【百度手機助手(百度手机助手)】でダウンロードできるようにしたという。百度は中国のBATと呼ばれる最大のインターネット企業のうちの1つだ。

ただし、Android版Apple Musicは現在でも完璧ではない

現在【百度手機助手】のAndroid版Apple Music版はv0.9.4にアップデートされており、現在でもまだベータ版扱いではあるものの、最初のv0.9.0に比べていくつかの問題を修復し、支払い方法も改善し、現在では中国国内銀行からの支払いが可能になっている。ただし、ファミリーパックにアップデートするには今でもMac版かiOSデバイスを使わないといけないなど、完璧ではない。

 

Androidユーザが圧倒的に多い中国市場を狙ったもの

Apple Musicは去年11月にGoogle PlayアプリストアによってAndroidプラットフォームでデビューを果たしたが、Googleが遮断されている中国国内のユーザにとっては、ウイルスや悪意のあるソフトウェア「マルウェア」が仕込まれているかもしれない外部アプリケーションを落とすしかなかった。しかし今回のAppleと百度の協力によって公式アプリがダウンロードできるようになり、Appleはこれによってユーザ数としては圧倒的に多い中国のAndroidユーザを取り込むことを狙ったものとみられる。

▲Android版Apple Musicの中国アーティストの一覧。人気のあるアーティストはある程度おさえている

Android版のApple MusicはiOS版と同様、最初に3ヶ月の試用期間があるが、必ずApple IDを先に登録し、そして一定の金額を入れておかなければならない。またMac版やiOS版と同様、3ヶ月後に支払いをしたくない場合は、自動継続のチェックボックスをオフにしておかないと(デフォルトではオンになっている)、3ヶ月経過すると銀行カードなどから自動的に料金が引き落とされてしまう。

この記事投稿時、【百度手機助手】の中のAndroid版Apple Musicのダウンロード回数は4万回を超えている。興味のある人は、中国国内ではこちらのリンクからAndroid版Apple Musicのダウンロードが可能だ(百度手機助手の公式リンク)。

 

中国では百度も音楽ストリーミングサービスを展開、他にもいくつもライバルが。Apple Musicは勝てるか?

ただ、既に中国では百度もBaidu Music(百度音楽)を展開しており、そことの衝突は避けられないところがある。また百度音楽やQQ音楽(Tencent)、酷狗、酷我などは、既に中国でほぼ無料でストリーミングサービスを提供しているため、Apple Musicは3ヶ月以降は有料となるためそれらの既存サービスから顧客をどれだけ奪い取れるかが注目される。

 

画蛇添足 One more thing…

しかしこのタイミングでApple Musicが中国の最もメジャーな市場(Android市場)に入ってくるのは実は非常に絶好の好機を掴んでいるのではないかと思われる。

というのも、中国ではここ1年ほど版権に対する取り締まりや意識が強くなってきており、最近はレコード会社や版権所有者が版権の問題で法的に中国の無料ストリーミングサービスへの音源の提供差し止めを要求しているため、上記の4つのサービスでは一部の音楽が聴けないという問題が起こってしまっている(この中には恐らくAppleの圧力もあるのだろう)。

とりわけ版権を大事にしているAppleが展開するサービス【Apple Music】ではさすがに版権に問題があるものや版権がないものは扱わないため、その隙間に入り込める可能性はある。また、欧米や日本・韓国等の音源の数は上記の4つのサービスよりも圧倒的に多いとみられる。

ただ、現在中国では2006年にサービスを開始した有料インターネット音楽提供サービスの老舗で、2013年にアリババ(Alibaba、阿里巴巴)に買収された【蝦米(虾米、xiami、シアミ)】というストリーミングサービスが最大・最多の版権をもつサービスの1つとなっており、上記の4つのストリーミングサービスで聴けない音楽も蝦米では聴ける(単独で版権を取得している)ということでユーザを増やしているという。

Apple Musicはもしかしたら、今後は中国市場ではこの【蝦米】との一騎打ちになるかもしれない。Apple Payのアリババ傘下のモバイル決済サービスAlipayとの連携もご破算になったため、提携がうまくいっていない面もある。個人的には、AppleとAlibabaの提携は世界的に見ても意義のあることだと思うのだが。。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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