中国海南島で行われているボアオ・アジア・フォーラム(博鳌亚洲论坛)で、昨日の朝、バイドゥ(百度)の創始者で代表取締役兼CEOのロビン・リー(李彦宏)が主催して朝食会を行い、そこになんとマイクロソフト(Microsoft)の創始者でメリンダ・ゲイツ基金の主席のビル・ゲイツ(Bill Gates)と、テスラモータース(Tesla Motors)とSpace XのCEO、イーロン・マスク(Elon Musk)が参加し、対談を行った!この対談のテーマは、”テクノロジーとイノベーションと継続可能な発展”だった。
ロビン・リーとビル・ゲイツの対談:人工知能の進化に反対しているわけではない
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは朝食会で「私が2、30歳でマイクロソフトにいた頃、45歳以降はCEOはやらないと決めていた」と述べている。実際、ゲイツは多くの時間を基金の仕事に費やしている。ゲイツがマイクロソフトのCEOを退いてから、その後継者たちは常に外部から心配されてきた。以前のバルマーであろうと、現在のナデラであろうと。
現在までのビル・ゲイツの業績について、多くの若者が学びたがっている。ロビン・リーはゲイツに、どのように卓越した創業者になれるかと聞いたところ、ゲイツは「実はその人が卓越しているかということを図るものさしも指標もないんです。私は子供が今の世代の考え方を超えてくれることを望んでいます」と答えている。
ゲイツはが自分でマイクロソフトを立ち上げたときの考えは非常に簡単で、コンピュータが非常に核心的で、非常に価格が高いプラットフォームだったのを、現在のように軽く持ち運べるようなものにしたいという思いだったという。
ゲイツは更に、若者は多く読書をすべきだと勧めた。「人には限界というものがある。読書はその限界を突破するための一番良い方法です」
人工知能もロビン・リーとバイドゥがかなりのリソースを投じているプロジェクトだ。ロビン・リーが人工知能についてゲイツに尋ねたところ、ゲイツは人工知能の発展はそれほど急ぐ必要はないと考えているようだ。「私たちは特別に慎重にならなければならないでしょう。私たちはもっと多くの時間を使って人工知能を発展させる必要があると思います。方向は合っていますが、急ぎすぎるのはよくない。未知の領域に入ってはいけないのです」。
更にゲイツは自身が人工知能に反対しているという以前の報道について反駁し、「私は人工知能の進歩に反対なんてことは言ったことがありません」と強調する。人工知能の安全性をもっと推し進めるべきで、なぜなら人工知能はいいものかもしれないし、もしかしたら悪いものかもしれないし、もしかしたら災難をもたらすものかもしれないからだとしている。
最後にロビン・リーがゲイツに基金の将来の計画について聞いたところ、ゲイツは現在殆どがアフリカの貧困の国に対して活動をしているといい、将来的には中国ともっと関係を築きたいと語った。「なぜなら中国は農業や文化を通じてアフリカを助けることができるからです」
イーロン・マスクとの対談:車の自動操縦・無人運転は5年後に大量生産に入る
テスラのCEOで、CTOも兼ねるイーロン・マスク(Elon Musk)は、「最初にテスラを起業したときに、既に失敗するだろうなということがわかっていました。でも10%の可能性があるならやろうと思ったのです」と語っている。
創業について
ロビン・リーがイーロン・マスクに創業の計画、及びこれまでどんな問題があったかについて尋ねたところ、マスクは創業初期は計画リストを羅列したが、殆どが失敗するリスクがあったという。しかしマスクは「成功は失敗の基礎の上にある」と考えているようだ。
テスラのイーロン・マスクが車を作っていることに対して、悪く言う人たちもいる。人によっては、普通の自動車を作っている人はバカで、EV(電気自動車)を作っている人はバカの中のバカだと。マスクは自分はそれによって動じることはないという。「でも私たちは今もやめていませんし、今でも多くのことにトライしています。重大な計画、偉大な計画というのはあります。ただ一歩一歩計画を作っているだけで、そこに何か余計な期待をかけたりしているわけではありません」
理想について
マスクは一番最初の理想は何だったかという質問に対して、このように思い出を語っている。「だいたい10歳くらいのころから私はソフトウェア(のコード)を書き始めました。大部分はとても成功しました。私はゲームをやるのも好きだったし、ソフトウェアを作るのも好きだった。ソフトを売るのもやりました。ソフトを売ったお金でもっといいコンピュータを買えるのですが、そこで私はコンピュータと関連のある会社を作ろうと思いました。そうすれば、他人からコンピュータを買わなくても済むからです。でも、その時は私のような実力では素晴らしい会社など作れるとは思っていませんでした。起業家になろうと思ったこともないし、金持ちになろうと思ったこともないです。一貫して、何か役に立つことをしようということを考えているんです。この役に立つことで、みんなが一緒になってあなたと一緒に何かをすることで、もっといいことができるのです。もし本当に役に立つものができたら、お金というものは自動的に入ってくるものではないでしょうか」
マスクは間違いなくシリコンバレーでも創業の道を行く求道者だが、やがて彼はPayPalの共同創業者になり、2002年に会社がeBayに15億米ドルで買収された。その後彼はSolarCity、テスラモータース、そしてSpace Xを作ったのだった。
車の自動操縦、無人運転について
最近、車の自動操縦についての話題が非常にホットだ。以前バイドゥも自動操縦技術について研究を行っているという噂が流れた。ロビン・リーはここでマスクに自動操縦の未来について尋ねた。
マスクは、自動操縦は非常に巨大な基礎産業技術で、自動車産業にとって非常に長い時間を必要とするものだと考えていると答えた。その根拠として、彼は現在地球上の公道には20億台もの車が存在するが、自動車産業全体のキャパは毎年1億台なので、長い時間をかけて変えていくしかないからとしている。
マスクは5年後には自動操縦機能を搭載した自動車が大量生産に入ると考えているが、同時にそれには政府や政策のサポートが必要だとも述べた。
更に、彼は技術的な角度からみても自動操縦は完成にあと2-3年かかるとみており、「技術的な角度から見れば、ですよ。しかし技術ができたとしても、やはりモニタリングによって、自動操縦車が安全かどうかを保証しなければならないでしょう。まずは自動操縦モードを先に搭載するというふうになるかもしれません。自動操縦が人による操縦よりも安全かということを比較しなければいけません。2〜3年後には、この技術は形になるでしょう」と語った。
画蛇添足 One More Thing
実はこの対談はもっともっと長く、他にも面白いことがゲイツやマスクの口から語られているのだが、ちょっと長すぎるのでまた時間があるときに翻訳したいと思う。。まとめは上記の通りだ。
記事は以上。
(記事情報元:cnBeta)