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【iPhone6/6 Plusの64GB/128GBメモリによるクラッシュ・再起動問題】デバイスを開けずに搭載されているNANDメーカーと種類、TLCかどうかを調べる方法【要脱獄】

数日前に世間を騒がせた、Appleの新型iPhone、特にiPhone6 Plusの128GBモデルでクラッシュや再起動を繰り返す問題(taisy0さんの記事が詳しい)で、問題の原因はフラッシュメモリのコントローラーICにあり、TLC(Triple Level Cell)を使用したNANDフラッシュメモリにあるといわれている。

また、Appleは今後このTLCのNANDフラッシュの仕様をとりやめてMLC(Multi Level Cell)を採用するという業界筋の情報がある上に、更に128GBのiPhone6/6 Plusの一部のリコールにまで応じるという話や、iOS8.1.1で修正するという話もある(本当にOSやソフトウェアレベルでなんとかなるものなのかはわからないが)。

なお、現在ではiPhone6 Plus 128GBに限らず、iPhone6/6 Plusの64GBと128GBにもクラッシュ・再起動問題が発生している可能性があるという。

では、自身のiPhone6/6 Plusに搭載されているNANDフラッシュメモリは一体そのTLCに該当するのだろうか?端末を開けて調べればチップの上に書いてあるのだが、脱獄していれば端末を開けずに調べる方法があるのでご紹介(この方法はOpenSSHを使うため、セキュリティに気をつける必要がある。脱獄が絡むので完全に自己責任で)。
私も自身のiPhone6 Plus 128GB(日本版SIMフリー)と、MacBook Pro Retina 15inch Mid 2014モデル(OS X Mavericks搭載、現在のメインマシン)を使用して調査してみた。

自分のiPhone6等に搭載されたNANDフラッシュメモリの仕様をデバイスを開けずに確認する方法・手順

■Step 1
デバイスを脱獄(ジェイルブレイク、Jailbreak)していない人は脱獄する。iOS8は現時点ではiOS8.0〜iOS8.1まではPangu8で脱獄可能。方法はググれ!と言いたいが私のサイトの記事にも解説しているのでご参照を。

■Step 2
脱獄インストーラ”Cydia”でOpenSSHとIOKit Toolsの2つの脱獄アプリ(脱獄Tweak)検索して、デバイスにインストールする。
※特にOpenSSHの扱いには注意すること。初期パスワードのalpineのままだとセキュリティが著しく低下し、簡単に乗っ取られるので要注意。

■Step 3
WindowsであればPutty等のSSH接続ツール、MacであればターミナルでデバイスにWi-Fi経由でSSH接続し、root権限でログインする(上記の通りデバイスの初期状態のパスワードはalpine)。
コマンドは以下の通り。

ssh -p 22 root@xxx.xxx.xxx.xxx(root@の後ろはデバイスのIPアドレス)

■Step 4
rootのプロンプトが表示されたら以下のコマンドを入力してリターンキーかエンターキー。

ioreg -lw0|grep “Device Characteristics”

■Step 5
すると、以下のような文字列が返される(以下は私のiPhone6 Plus 128GBの例だ)。

■Step 6
上の図では、赤線を引いたところに以下の重要な情報があるのがわかる。
・1Ynmプロセスの128GBモデル
・ファームウェアバージョンは050260P_SD_TLC2P
・メーカーはSandisk

※そして最も肝心のFlash Memory Cellの仕様は、以下の通り。
default-bits-per-cell、ここの値が重要
・1=SLC(Single Level Cell):1つのCellに対し1bitで書き込む。速度が早く寿命も長いが、MLCの3倍以上値段が高い。10万回の書き換えに対応。
・2=MLC(Multi Level Cell):1つのCellに対し2bitで書き込む。速度も寿命も普通。約3,000〜10,000回の書き換えに対応。
・3=TLC(Triple Level Cell):1つのCellに対し3bitで書き込む。Flashメーカーによっては8LCとも呼ばれ、速度も寿命も劣っているが、非常に値段が安い。約500回までしか書き換えられず、どのメーカーも1,000回を成功させたところはない。

※私のiPhone6 Plus 128GBの場合、3のTLCなので問題が起こる可能性がある、ということ(今のところクラッシュや再起動は脱獄が原因と思われるもの以外ではほとんど思い当たらないが)。

NANDサプライヤー・容量によって問題が発生する可能性が高いものがある

また、現在のところ知られているiPhone6のサプライヤーは以下のメモリを支給している。
赤い字のものはTLC問題があるメモリを含む可能性があるものだ。

■Hynix(ハイニックス)
16GB
64GB

■Toshiba(東芝)
16GB
64GB
128GB

■Sandisk(サンディスク)
64GB
128GB
←私のiPhone6 Plus 128GBの場合これに該当∑(゚д゚lll)ガーン

画蛇添足:予想通り私のマシンは問題のTLCだった

調べて喜ぶか、絶望するか。。私は後者の絶望だったが。
しかしなぜこんなことがiPhone6/6 Plusのみに発生してしまっているのか。。やはり時期を急ぎすぎたのかもしれない。
もし私と同じでお持ちの機種がNANDにTLCを採用している場合、Appleが将来リコール対象にするかもしれない。
もちろんiOS8.1.1がメモリのICコントローラのファームウェアさえ更新して問題を修正できるのであればいいのだが。。でも脱獄できなくなるし、悩ましいところ。

※なお、OpenSSHは使わない時は絶対にオフにしておくかアンインストールしておこう。
また、必ずrootやmobile権限はパスワードの修正をしておこう。脱獄後の最低限のセキュリティだ。

記事は以上。

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