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中国携帯電話キャリアの解説とSIMフリーiPhoneの対応状況まとめ(2014/5/15更新)

china

中国(大陸地区)は2013年12月から正式に4G LTEを導入し、
また2014年1月から中国の全ての携帯電話通信事業者(以下キャリア)がiPhoneを正式に取り扱うようになり、
以前よりもiPhoneの中国での利用が便利になった。

そこで、中国(大陸地区)内のキャリアの情報と、
SIMフリーiPhoneを使用する方法をまとめてみた。
なお、中国のApple Storeやキャリアで販売されているiPhoneは、
CDMA版を除いて基本的に全てSIMフリーだ。

中国(大陸地区)内のキャリア情報

【中国全体の特徴】
■中国には携帯電話キャリアは3つしかない
現在の所、3つとも全て国営だ。
回線を持つ携帯キャリアが3つしかないという点では中国も日本(MVNO除く)と奇しくも同じなので、
以下のそれぞれのキャリアの解説には比喩も交えつつ紹介している。
なお、今年からはMVNOも登場し、
キャリアについては今後選択肢が増えるとみられている。

■国内でローミングがある
中国のキャリアはそれぞれ地方毎に会社が分かれており、
携帯電話番号もそれぞれの地方に属している(つまり各地方毎に割り当てされている)。
各キャリアが設定している地域・地方・省をまたぐと国内ローミングとなり、
通話料やパケットの計算に国内ローミング費用が適用される。
広い中国ならではの政策なのだ(国営だけに。。)。
料金体系としてはパケット使い放題は存在せず、
基本は月額によってパケット使用量が決まっており、
超過分は従量課金となる。
なお、同じ中国でも香港(ホンコン)・澳門(マカオ)は国際ローミング扱いとなる。

■APNの設定が必要なところと必要のないところがある
キャリア及び中国国内の地区によっては、APN設定が必要な場合と必要でない場合がある。
中国国内のキャリアのAPN設定については当ブログ過去記事参照。

1. 中国移動(中国移动、China Mobile) 公式サイトはこちら

中国最大にして、世界最大のキャリア(ユーザ数は7億6300万人)。
日本で言えばNTT docomoのようなキャリアと言えるかもしれない。
2013年12月から4G(TD-LTE)の正式導入を中国で最も先駆けて行い(ブランド:and=和)、
2014年1月、iPhone5s/5cからiPhoneをキャリアとして正式に扱い始めた。
3キャリアの中で最もiPhoneの導入が遅れたこともdocomoのような感じだ。
まだ4Gのカバー範囲はそれほど多くないが、
都市の人口が多いエリアであればだいたい使えるようになってきているようだ。
現在iPhoneにて4G LTEが使えるのはこの中国移動のみ。
なお、4G LTEを使用するには4G専用のSIMカードを申請し手続きする必要がある。
但し4Gカードの申請のためにはパスポート等身分証明書が必要。
2G GSM専用カードには特に身分証明書が必要ないプリペイドカード“神州行”“動感地帯”もある。
その2G GSM専用プリペイドカードを番号を変えずに4Gに切り替えることも可能(その場合も身分証明書の提出が必要)。
なお中国移動のTD-SCDMAの3Gは中国聯通のW-CDMAの3Gに比べ非常に伝送速度が遅いので使う気がしない。
・4G “and 和”:TD-LTE方式
・3G “G3”:TD-SCDMA方式
・2G:GSM方式

2. 中国聯通(中国联通、China Unicom) 公式サイトはこちら

中国の中ではiPhoneをいち早く導入した、中国では2番手のキャリア。
最も早くiPhoneを販売したという点では日本で言えばSoftbankのようなキャリアだ。
3G(ブランド:wo沃)はW-CDMAで、
世界標準規格を導入しておりスピードは3キャリアの中で最も早いが、
中国移動が導入した4G LTEと比べると明らかにスピードは劣る。
今年から中国聯通は3GをHSPA+でスピードアップし、
42Mのスピードを達成してこれを4Gとしている。
なお、中国聯通は今後4G(FDD-LTEとTD-LTEの混合方式)の導入を進めていくとしているが、
開通時期は明らかになっていない。
・4G:3Gの”wo 沃”のスピードアップ版。使用にはHSPA+に対応した端末が必要。
・3G “wo 沃”:W-CDMA方式
・2G:GSM方式

3. 中国電信(中国电信、China Telecom) 公式サイトはこちら

中国の中で唯一GSMではなくCDMA方式を採用しているキャリア。
CDMAを採用していると言うことで、日本で言えばau KDDIのようなキャリアと言える。
携帯電話キャリアとしては最もマイナーだが、
もともと固定電話キャリアとして最大だったため、
固定電話との抱き合わせプランなどでお得さを演出している。
とはいえ3Gの電波方式がCDMA2000のため、使える機種が限られるのは大きなネックだ。
また中国のキャリアで唯一扱っているiPhoneのCDMA2000のみキャリアロックをかけていると言われている(中国電信版iPhoneは、日本のau KDDIのCDMAでは使えない)。
なお中国電信も4G TD-LTEを導入しているが、
携帯電話SIMという形ではなく、モバイルWi-Fiでの販売としている。
・4G:“天翼4G”:TD-LTE
・3G:“天翼3G”:CDMA2000方式

SIMフリーiPhoneの各機種別中国各キャリアへの対応状況

【iPhone5s/5c】

■中国移動(中国移动、China Mobile)
<中国移動 4G TD-LTE/3G TD-SCDMA対応モデル>
・iPhone5s:
A1530(香港・中国大陸Apple Store版、香港キャリア・中国移動・聯通版、その他諸外国版SIMフリー機)
A1528(旧中国大陸Apple Store、旧中国聯通版)
・iPhone5c:
A1529(香港・中国大陸Apple Store版、香港キャリア・中国移動・聯通版、その他諸外国版SIMフリー機)
A1516(旧中国大陸Apple Store、旧中国聯通版)
※上記は購入した時に4G/3Gを掴まなくても、
中国移動4Gカードを挿して電波を掴んだ後に
設定>一般>情報にアクセスしてキャリアアップデートを適用し、
キャリア情報が「中国移动 15.6」以上になれば掴むようになる。
※A1528、A1516については、この記事の方法にて4Gを掴むようになる(3Gは掴めない)。
※残念ながら日本で販売されている全てのiPhone5s/5cモデルは中国移動の4G/3Gが使用できない。

<中国移動 2G GSM対応モデル>
全てのSIMフリーiPhone5s/5cにて使用可能。

■中国聯通(中国联通、China Unicom)
<中国聯通 3G W-CDMA、2G GSM対応モデル>
全てのSIMフリーiPhone5s/5cにて使用可能。

■中国電信(中国电信、China Telecom)
<中国電信 CDMA2000対応モデル>
・iPhone5s: A1533(中国電信CDMA版、米国Verizon版等※SIMフリーに限る)、
・iPhone5c: A1532(中国電信CDMA版、米国Verizon版等※SIMフリーに限る)
なお、日本のauが扱っているCDMA版iPhone5s(A1533)とiPhone5c(A1532)は、
キャリアSIMロックがかかっているため中国電信のCDMAには対応していない。

【iPhone5、iPhone4s、iPhone4、iPhone3GS、iPhone3G】

■中国移動(中国移动、China Mobile)
<中国移動 4G TD-LTE/3G TD-SCDMA対応モデル>
iPhone5及びそれより古いモデルでは残念ながら使用できない。

<中国移動 2G GSM対応モデル>
全てのSIMフリーiPhone5及びそれより古いモデルで使用可能。

■中国聯通(中国联通、China Unicom)
<中国聯通 3G W-CDMA、2G GSM対応モデル>
全てのSIMフリーiPhone5及びそれより古いモデルで使用可能。

■中国電信(中国电信、China Telecom)
<中国電信 CDMA2000対応モデル>
中国電信キャリア販売モデル、及びApple Store(ネット・直営店・代理店)で販売されている中国大陸版CDMAモデル、米国ベライゾン(Verizon)版等CDMAモデルのSIMフリー化された端末が使用可能。
※なお中国電信版が存在するのはiPhone4以上。

※iPhone5s/5c/5各モデルのLTE対応状況はApple公式サイトのこちらのページ参照。
※iPhoneのSIMロック解除(SIMフリー化)については当ブログまとめ記事参照。

上記内容についてのご指摘、追加情報、ご意見お待ちしております。

記事は以上。

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