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iOSの父が離職して一年。世界は徐々にスキューモーフィズムを忘れていく

1年前の今日、
iOSの父でありAppleのモバイルソフトウェア部門の上級副総裁だった、
スコット・フォーストール(Scott Forstall)が正式に離職した。
そして、その日がiOSの6年のスキューモーフィズム(他の物質に似せるために行うデザインや装飾)の終焉となった。
その一年後、皆さんもご存じの通り最新のiOS7は全く違うデザインで生まれ変わり、
ジョニー・アイブ(Jony Ive)が主導したインターフェイスとアイコンの設計は、
iOSにフラットな世界観と、今っぽさと輝かしさをもたらした。

・iOSの父、スコット・フォーストールの過去のAppleオフィシャルサイトでのプロフィール

iOS7に対する批判の声が未だにあるのは確かだが、
新しいシステムのインストール率の数字が、
世界が徐々にスキューモーフィズムを忘れてしまっていることを示しているといえるだろう。

以前統計機構のMixPanelの出したデータによると、
iOS7の正式版はリリース1ヶ月の間に2.5億台ものiOSデバイスにインストールされたという。
言い方を変えると、iOS7のインストール率は既に70%以上に達していると言える。
それどころか、iOS7リリース当日には北アメリカでインストール率は18%を超え、
この数字は48時間後には32%にものぼることになる。
ちなみに去年のiOS6リリース時には、3日かけて30%を突破したといわれている。

もしスコット・フォーストールが続けてiOSソフトウェア部門の総責任者を続けていたら、
今のiOS7のようなフラットデザインは生まれていただろうか?
フォーストールの辞任の原因となったのはiOS6のmapsのお粗末さの責任をとらされたと言われていることもあり、
この問題には永遠に答えが出ないだろう。。

スキューモーフィズムは確かに親近感をわかせるためにはいい手段だし、
現に今でも多くの製品に用いられている。
しかし既にiPhoneを代表とするスマホがここまでユーザーに浸透した今、
親近感をわかせるためのスキューモーフィズムはスマホのインターフェースにとっては用無しで、
余計なリソースを使う原因となる、
というのが現在のApple、つまりジョニー・アイブの考えのようだ。
その割にはiOS7のアニメーションなどはなんとなくまだスキューモーフィズムを残していると言わざるを得ない感じがするのだが。。(どうせなら徹底して欲しかった)

記事は以上。

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