他から何と言われようと、iPhone Xは最近世界で最も売れているスマートフォンの1つであることは変わりがありません。マーケティングリサーチ会社のCanalysが23日にまとめたレポートによると、2017年第四四半期のiPhone Xの世界での出荷台数は2900万台となり、その時期として世界で出荷台数が最も多いスマートフォンとなりました。そして特筆すべきは、iPhone Xは2017Q4の3ヶ月のうち、たった2ヶ月しか販売されていなかったということです(11月3日に発売となったため)。
Canalysは更に、999ドルからという価格が販売実績に少なからぬ影響を与えた以外に、一定期間の供給不足があった中での達成であることを強調しています。確かに去年11月、iPhone Xの供給は非常に緊迫していました。私自身は発売日11月3日に手に入れましたが、プレミア価格で購入したほどです。そして11月末にだいぶ供給は間に合ってきたことを考えると、実質2017Q4でiPhone Xは1ヶ月ほどしかまともに店頭などで販売されていなかったことになります。年末商戦に間に合ったことはもちろん最大のプラス要因ですが、短期間でこの実績を収めたことは驚愕に値します。
そして、この2900万台のうち、700万台が中国で売れ、その比率は24%にものぼることも特筆すべきことでしょう。
ただ、この販売実績について、業界内の人物はあまり満足していません。CanalysのアナリストのBen Stanton氏は、「999ドルからという価格のスマートフォンとしては、2017Q4のiPhone Xの売れ行きは大変印象的です。しかし2900万台という出荷台数は、業界内の予測を下回りました」としています。
またもう1人のCanalysのアナリスト、Tuan Anh Nguyen氏は、Appleの前四半期での成功は、製品を再定義したことにあるとしています。999ドルという単価は確かに高いのですが、Face IDや全面ディスプレイというデザインによって従来との差別化が図られており、Appleが世界のハイエンドスマートフォン市場でファーウェイ、サムスン等Google(Android)勢の追撃を寄せ付けなかった要因となったとしています。
以前のCIRPのデータによると、Q4のiPhone XのiPhone全体の販売台数におけるシェアは24%で、iPhone 8が24%、iPhone 8 Plusは18%となっています(販売直後に報じられていた、iPhone 8よりもiPhone 8 Plusの販売台数の比率が大きいという情報からは逆転しています)。Appleは2月1日に2018Q1の会計報告を発表しますが、その際にはiPhone Xの売れ行きは更にいいという報告がなされる可能性が高いです。アナリストの予測では、2018Q1のAppleの営業収入は870億ドル(9兆4,847億円)とされていて、昨年同期の784億ドル(今のレートで8兆5,463億円)よりも1兆円弱増えるのではないかとされています。これもiPhone Xの高単価がもたらす恩恵なのかもしれません。
記事は以上です。
(記事情報元:Canalys)