あなたはあのアメリカのドナルド・ラムズフェルド国防長官(Donald Rumsfeld)を覚えているだろうか?ジョージ・W・ブッシュ政権時代に、大量破壊兵器の存在があると偽ってペンタゴンからイラク戦争を勃発した張本人で、超強硬派として知られた人物だ。
そんなラムズフェルド元国防長官が、なんとiOS用のゲームアプリをリリースした!その名も「チャーチル・ソリティア(Churchill Solitaire)」。ゲーム名のチャーチルは、もちろん第二次世界大戦時のイギリスの首相、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)に基づくものだ。
なお、これはジョークではない。本当にアプリがリリースされているのだ。iTunesストアではこちらでダウンロードできる。そして以下がアプリの予告動画。
このアプリは木曜日にiTunesにアップされ、既に4つ星半の評価がつけられている。なかなかに、というかかなり好評だ。このチャーチル・ソリティアの売り文句は「史上最も残酷なソリティア(the most diabolical version of solitaire ever devised)」だ。その売り文句についても、あのラムズフェルド元国防長官がそのような指示をしていたとしても不思議ではない。なおラムズフェルド元国防長官はデベロッパということにはなってはいるが、当然のことながら直接コードの開発には関わっておらず、“Javelin”という会社に委託して作ってもらったようだ。
ラムズフェルド元国防長官はこのゲームについて、ウォールストリート・ジャーナルに対して「私たちはもっとバージョンアップで改善していかなければならない。新たなバグも見つかったしね」と語っている。もう殆ど完璧にデベロッパ気取りだ(いや、本当にデベロッパなのだけど)。
ゲームは無料だが、アプリ内課金をすることによってゲームを有利に進めることができる。そしてこのチャーチルズ・ソリティアによって得られた収益の一部は退役軍人とその家族に支払われることが公式に説明されている。
ゲームと人生は紙一重だ。ジョージ・W・ブッシュを支え、多くの重要な決断を下したラムズフェルドならそれが誰よりもよくわかっているはずだ。
現に、「あなたは勝てる戦いに勝てなくなってしまうような過ちをかなりの早期に犯してしまうことがある。人生でも一緒さ」とラムズフェルド元国防長官はウォールストリート・ジャーナルに対して語っている。
このゲームは多くの”戦略家”を気取る全ての人達に向けてリリースされたのは明らかだ。他の戦略ゲームと同様、このソリティアでもあなたが勝つという保証はどこにもない。ソリティアの愛すべきところは、あなたが「自分がやり遂げた」ことをみんなに伝えられることだろう。
そしてこれは政治とは全く異なったものだ。
正に決断の連続を強いられるソリティア。ラムズフェルド元国防長官にはうってつけのゲームだったのかもしれない。もしかしたら、ラムズフェルド元国防長官も在職中ペンタゴンでソリティアでこっそり遊んでいたのかもしれない。。
なお、ソリティアの歴史についてはここが詳しい。
記事は以上。
(記事情報元:Cnet)