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時代遅れ!?iPhoneの”あの”機能をAppleはなぜユーザに開放しないのか

iOS・iPhone脱獄界隈では時々脱獄アプリインストーラCydia上でとある脱獄アプリが登場する。。それは、iPhoneユーザが脱獄したiPhoneデバイス上でFMラジオを聞くことができるというものだ(ただし基本的には場所を偽装して現地のストリーミングラジオを聴けるようにするというものが殆どだ)。

▼iOS 9の脱獄方法はこちら。現状ではiOS 9.0.2までしか脱獄できないが。。

iOS 9の脱獄(Jailbreak、ジェイルブレイク)方法をまとめた。今後新たなiOSのリリースや新機種、そして脱獄ツールのリリースがあった場合はここを更新していく予定。
iOS 9脱獄方法まとめ(iOS 9.0〜9.3.5 iPhone SE/6s/6s Plus/6/6 Plus/5s/5c/5/4s/... - 小龍茶館

しかしAppleは”FMラジオ受信機能”を正式にユーザに開放したことはない。実は昨年4月、全米放送事業者協会(The National Association of Broadcasters、NAB)がAppleに対しこの機能を開放するように要求したことはあったが、Appleはそれに対して何ら回答をせず沈黙を貫いているのが現状だ。

ではなぜAppleはこのFMラジオ機能を開放しないのだろうか?それについては、技術面とUX面においてその原因を考慮しなければならない。考えられる原因を以下に何点か挙げてみたい。

1. iPhoneハードウェア内にはFMラジオのアンテナがない

実はiPhoneの中にはFMラジオのアンテナは搭載されていないため、現実的にFMラジオの電波をしっかり受信することはできず、音質を保証することができない。もしAppleがこの機能を無理に開放した場合、ユーザはちゃんと聞こえないということでAppleのミスとしてAppleを責めることになるだろう。しかもこれはFMラジオの電波の強弱や位置の問題でもなく、解決が難しいのだ。

もしこの機能が開放されたら、恐らくApple Storeのジーニアスバー(Genius Bar)は間違いなくFM電波がうまく拾えないという苦情を言うユーザに溢れることになるだろう。

それならばiPhoneにFMラジオ用のアンテナを足せばいいではないか、と考えるかもしれないが、実はこれは1本FMラジオのアンテナを足せばいいという単純なものではない。端末内は他のアンテナも多数張り巡らされており(無線携帯電話アンテナ、Wi-Fiアンテナ、Bluetoothアンテナ、NFC。。)、ここに1本FMラジオのアンテナを追加するのは、Appleにとってはデザインの変更を含む重大なチャレンジとなってしまうのだ。

そのことが、iPhoneがFMラジオの競争相手となってしまった原因の1つでもあるかもしれない。

 

2. Appleは自分の利益を守るためにFMラジオを導入しない

Appleも自身の利益を確保しなければならない。ユーザがiTunesやApple Musicを使用することで、Appleには継続的な収入が発生する。またApple MusicにはAppleが買収したBeatsによるラジオ、Beats 1が存在する。

もしAppleがFMラジオ機能を開放してしまったら、ユーザはラジオを選択してしまい、お金を払ってiTunesやApple Musicを聴く人は少なくなるだろう。それは当然Appleの営業収入に影響するため、Appleはやりたくないのは間違いない。

 

3. Appleは新しい技術を重視する会社、ラジオはオールドすぎる

Appleは前を向いて、常に新しいものを採り入れて発展する会社だ。古くて淘汰されるべきものについてはAppleはこれまで容赦なく切り捨ててきた。FMラジオも恐らく彼らにとって淘汰されるべき存在なのだ。

ましてや現在の伝統的なFMラジオの行き先は完全に不透明だ。例えばノルウェーでは昨年5月に、全国レベルのFMラジオの電波配信を2017年に終了すると宣言したほどだ。FMラジオの終了後も、ノルウェーでは業界で主流のDABデジタル放送テクノロジーとオンラインラジオでラジオ放送提供を継続する。FMラジオの電波停止は、1つの時代の終わりを感じさせる(私の世代は、QueenのRadio gagaを思い出すかもしれない。。)

 

4. FMラジオは音質がそれほどよくない

FMラジオの音質はAMラジオには勝るものの、電話の音質とは殆ど違いがないといわれる。またインターネットのオンラインラジオの方が音質がいいといわれている。それだったら、インターネットラジオに切り替えた方がいいことになる。

 

5. ラジオは広告だらけ!

そして忘れないで欲しい。ラジオ局は基本的にはほぼ全てが商業的なもので、放送のうち3分の1は何らかの広告を流しているわけで、ニュースや音楽などを流している時間は3分の2しかない。インターネット上でもYoutubeやウェブサイトに広告が多いと嘆く人も多いかもしれないが、正直ラジオほど広告が多いメディアもないのだ。

その上ラジオは電波配信にかかる手数料は電波配信局が持っていて、その費用も広告費用から捻出しなければならないが、インターネットラジオについては配信手数料はかからず、インターネットのパケットにかかる料金は基本的にユーザが負担することになっている(プロバイダや携帯電話キャリアがその分をユーザから徴収している)。

つまりメディアとしてはラジオはかなりオワコンなのだ。

 

iPhoneで日本のラジオを聴くには

ちなみに実際にiPhoneでラジオを聞きたい人は、ネット経由でradikoなどのサイトでラジオを無料で聴くことができる。海外からでも、私自身はKEMBO VPN或いは12VPNで日本にVPN接続し、radiko.jpで日本のラジオを聞いている。

※もちろん、これはインターネットを通じたラジオ配信なので、通信パケットが発生する。携帯電話のパケット通信を使用している人は使用量に要注意だ。

中国(中華人民共和国、大陸、内地)では言論統制のためインターネットに接続されているとはいえ規制がかかっており、多くのメジャーな海外のインターネット上のサービスサイトにアクセスできない。
【中国ネット規制回避】壁越え(ネット規制回避)最新事情(2021/02/09更新) - 小龍茶館

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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