先月6月19日に、Appleの次世代iPhone【iPhone 7】がデュアルSIM仕様になるかもしれないという情報がEngadgetから流れたが、現在のところそれが確実にそうなるという証拠は得られていない。
Patently Appleによると、7月28日に米国特許商標庁(USPTO)が公表したAppleが取得した特許によって、少なくともAppleはそのデュアルSIM仕様にするための準備は進めているということが判明した。
その特許出願文書によれば、Appleが今回出願していた特許ではユーザのデバイス(UE)で複数のCaller IDを扱うことができるというもので、簡単にいえば将来的にiPhoneではデュアルSIM同時待受機能(DSDS)が実現するかもしれない、ということだ。
無線通信技術はかつての基本的な通話のみの機能から、現在は既にデータ通信の中に含まれるという形で発展を遂げている。例えばインターネットやマルチメディアコンテンツと共にだ。Appleの発明は、その他の既に存在しているデュアルSIM同時待受と異なる点は、iPhoneがいかに2つ以上の基地と通信を行うかというところに重点が置かれており、それによってiPhoneは他のデュアルSIM同時待受スマートフォンに比べて更に接続が速く、また通話の品質も高くなるという。
ちなみにこの特許はiPhoneだけに限らず、他の端末、例えばApple WatchやMacBook等にも応用できるという。
Appleは取得した全ての特許を製品に採用するわけではないが、少なくともAppleは複数SIMの同時待受ができる技術について技術的な準備はしていることが判明した、ということになる。
画蛇添足 One more thing…
日本ではあまりなじみのないデュアルSIM同時待受端末だが、海外、特に中国では以前からかなり大量に市場に出回っている。最近ではシャオミ(小米、xiaomi)のMi 5が4G+4GのデュアルSIM同時待受機能を搭載して話題となっている。
AppleのiPhoneやiPadなどでもデュアルSIM同時待受になったら、きっと待ち望んでいた人も多いのではないだろうか。
例えば、こんな使い方が考えられる。
- 1.にデータを使わない電話のみの契約のキャリアSIM、2.にMVNOなどのデータ通信のSIMを同時挿入、データ通信は2.のみで行う。
- 1.に日本国内SIM、2.に海外SIMを挿入して、海外に出張したりしている間でも同時待受ができるようにして、データ通信は日本国内にいる時は1.、海外にいる時は2.に設定する。
- 1.には仕事用SIM、2.にはプライベート用SIM(別名:愛人用SIM!?笑)を入れて2つの電話番号で使用する。
さて、もしiPhoneにデュアルSIM同時待受機能が付いたら、あなたは活用するだろうか?今年秋、9月頃にリリースされるとされている次世代iPhone【iPhone 7】で実現するかどうかは未知数だが、将来的にiPhoneがデュアルSIM仕様になる可能性はある。個人的にはSIMカードを複数持っているので、iPhoneで公式にデュアルSIM同時待受機能が実現したら大歓迎だ。
しかし一方で、Apple SIMという形で本体内蔵型SIM(バーチャルSIM)を既にiPad Pro等で導入しているAppleとしては、本体に余計なスペースをもたらすSIMトレイやSIMスロットをわざわざ増やすだろうか、という疑問も残る。もしより薄くより軽いiPhoneを目指すのであれば、SIMスロットは邪魔な存在でしかないからだ。
もしかしたら将来的にiPhoneは物理SIM+バーチャルSIMでのデュアル、或いは更に多くの複数SIM(バーチャルSIMが複数という意味)の同時待受になるかもしれない。もちろんキャリアの協力が得られないとそれは実現できないのだが。。
記事は以上。
(記事情報元:Patently Apple)