Apple(APPL)はこれまで10-Kレポート(Form 10-K、年次レポート、アニュアルレポート。10-kとは、米国市場における公開会社に求められる財務諸表等の年次決算開示様式のこと。日本でいう金融商品取引法(旧証券取引法)に基づく財務諸表等規則などに該当)の中で、自社の広告に使用する支出金額を公開してきた。
Appleの財務諸表から広告費用の数字が消えた!?
しかし今年のAppleの10-Kレポートの中から、広告費用が消え去っていた。9to5Macによると、A Wells Fargoのアナリストが、2016年の10-Kレポートを見たところ、広告費用の公開がなくなり、レポート上にはAppleが他のところに更に資金を投入するとしていることを発見したという。
2015年の広告費用は増加、2016年は別方面に資金投入?
昨年の2015年、Appleの広告費用は18億ドル(約2,043億円)を使っており、前年比50%増加している。今年の10-Kレポートの中では、Appleの広告費用が昨年よりも少し減ったことが暗示されているが、具体的な数字が示されていなかったことから、アナリストの注目を集めたようだ。Appleの2016年会計年度(9月に終了)は、2009年以来営業粗利率が最低の1年となった。Appleは更なる広告費を投入して更なる利潤の確保に動くとみられている。
様々な数字を公開しなくなったApple
当然のことながら、これはアナリストの分析に過ぎず、Appleはこのことについてなにもコメントをしていない。またこれまでの報道でも、Appleは新しいプロジェクト、例えばApple Carなどの研究開発をしているといわれているが、Apple自身は新しいプロジェクトについては外部には知られたくないと考えている。またAppleは今年、珍しくiPhone 7シリーズの最初の1週間の販売台数を発表しなかった(近年は毎年新しいiPhoneが出るたびにその数字を発表していた)。またApple Watchの販売台数についてもこれまで明らかにしたことはない。
画蛇添足 One more thing…
都合のいいことは公開し、都合の悪いことは隠す、これは当然ながらどの会社も多かれ少なかれやっていることではあれど、あまりにあからさまだと様々な憶測を呼んでしまう。ましてや、世界で最も市場価値が高い会社であれば尚更だ。Appleはもう少し数字を公開した方がいいのではないだろうか?
記事は以上。
(記事情報元:9to5Mac)