Appleがいくら市場シェアを気にしないからといっても、ここまで差が開いたら「全く動揺していない」というわけにはいかないのではないだろうか。。
Androidが続伸、モバイルデバイスの市場シェア占有率
マーケットリサーチと統計を主業務とするStatistaの最新のレポートによれば、2016年の第二四半期(Q2)で、Androidスマートフォンの出荷台数は世界の携帯電話の出荷台数の86.2%を占め、この比率は過去2015年Q3のAndroidの記録を更に塗り替える過去最高のものだった(ちなみに2015年Q3当時は84.7%)。
OS別のモバイルデバイス市場シェアは殆どAndroidが独占状態
“パイ”の大きさは限られていて、ある人が食べる分が多くなれば、当然自然にある人の取り分は少なくなる。iOSデバイスを搭載するiPhoneは世界のモバイルデバイス市場の中で2位だが、市場シェアはたったの12.9%しかなくなっている。前四半期では、iPhoneの出荷台数はAndroidのたった7分の1しかないことになる。
これは視点を変えれば、Androidは殆どのモバイルデバイスプラットフォームを独占している状態で、Windows Phoneはたったの0.6%、Blackberry(ブラックベリー)に至ってはさらにごくわずかの0.1%にすぎない。
具体的なメーカー(ブランド)別出荷台数でもAppleは2位に
具体的な出荷台数では、Android端末は今年のQ2で2.96億台出荷され、iOSは4,440万台、Windows Phoneは197万台、そしてBlackberryは40万台だった。
Statistaの出荷台数統計は更にメーカー・ブランドまで調査が及んでいる。今年のQ2で、サムスン(SAMSUNG)が7,700万台のスマートフォンを出荷して1位となり、Appleは4,400万台で2位。その後ろに続く3つは中国国産メーカーで、3位のファーウェイ(HUAWEI)が3,210万台、OPPOが2,260万台、Vivoが1,640万台だ。
中国でのシェア争いでもiOSは5位に
最近の統計ではAppleは中国のスマートフォン市場で5位にまで落ち込み、Appleより売れているブランドは全て中国国産メーカーのものだった(上記の3つ+小米)。
画蛇添足 One more thing…
しかし面白いのは、上のグラフを見ればわかるように、Appleが新製品を出す毎年Q4のタイミングでiOSデバイスのシェアがぐっとあがり、そして次のQ3まで下がり続けると同時に、その動きに合わせるようにしてAndroidのシェアもQ4でぐっと下がってまた次のQ3まで上がり続ける、を繰り返していることだ。次の現四半期(Q3)では、Androidは更にそのシェア率が高くなる可能性がある。
それだけ、iPhoneの新機種発売のインパクトが大きく、全体のシェアが動くほどのものだということだろう。
なおAndroidといっても様々な海千山千のメーカーを全て足したものであり、また単純に出荷台数だけではなく、売上や利益ベースで見てみると、実はスマートフォンの中で90%以上の利益をAppleが稼ぎ出しているという数字もある。それだけAppleは利益率が高く、ブランド力を保っており、それ以外のAndroidメーカーは殆ど全てが薄利多売で売っているという事実を如実に表しているといえるだろう。
というわけで、やはりAppleは上記のグラフにあるような”出荷台数における市場シェア率”については特に気にしていない可能性がある。
記事は以上。
(記事情報元:Statista)