2008年1月、当時のAppleのCEOだったスティーブ・ジョブズが、初めてのMacBook Airを公に発表した。それはたった3ポンド（約1.36kg）しかないノートブック型コンピュータで、Appleとジョブズは発表の時に誇らしげに「世界最薄のノートブック」と喧伝した。
しかし歳月というのは無情なものだ。あれから10年近く経った今となっては、MacBook AirはApple製品の中でもかなり厚い方のノートパソコンになってしまった。比べてみると、確かにそうで、Appleの公式サイトでの厚さのデータによれば、少し前のMacBook Pro（13インチと15インチ）のみが、MacBook Airより厚いのだ。その他の全ての、12インチRetina MacBookを含む、昨年リリースされたMacBook Proも、全てMacBook Airより薄くなってしまっている。
以下がAppleが現在も販売しているノートブック型コンピュータ、MacBookの厚さリストだ。厚い方から薄い方に順番で並んでいる。
- MacBook Pro (旧型 13&15インチ) – 厚さ0.71 インチ
- MacBook Air (13インチ) – 厚さ0.68 インチ
- MacBook Pro (新型15インチ) – 厚さ0.61 インチ
- MacBook Pro (2種類の新型13インチ) – 厚さ0.59 インチ
- MacBook (Retina、12インチ) – 厚さ0.52 インチ
上記の通り、事実上MacBook Airは既にAppleが販売している最も薄いノートブック型コンピュータではなくなってしまっているが、重さでいえば最も軽い部類に入る。
以下がAppleが現在販売しているノートブック型コンピュータの、重い順で並べてみたリストだ。
- MacBook Pro (旧型 15インチ) – 4.49 ポンド（約2.036kg）
- MacBook Pro (新型 15インチ) – 4.02 ポンド（約1.823kg）
- MacBook Pro (旧型 13インチ) – 3.48 ポンド（約1.579kg）
- MacBook Pro (2種類の新型 13インチ) – 3.02 ポンド（約1.370kg）
- MacBook Air (13インチ) – 2.96 ポンド（約1.343kg）
- MacBook (Retina、12インチ) – 2.03 ポンド（約920g）
こうやって並べてみると、Appleはやはり本当にMacBook Airの製品ラインを廃止しようとしているようにみえる。12インチMacBookが厚さも重さも、どちらもMacBook Airのお株だった”軽くて薄い”という地位を奪ってしまっている。
また、マイクロソフトのSurfaceをはじめ、ライバル陣営達もよりタブレットデバイスに近づく薄い筐体を実現してきている。MacBook Airは入門者向け、初心者向けのノートパソコンという意味では十分なスペックを持っている。また他のApple製品に比べてもかなり廉価であることから、初心者がとっつきやすいモデルでもある。Appleはこのラインを本当に捨てるだろうか？
個人的にはあのスティーブ・ジョブズの発表に衝撃を受けてMacBook Air初代も所有していただけに、そのシリーズの衰退には悲しいものを感じる。薄さがNo.1じゃなくなっても、その違いはほんの少しだ。ただ薄さや重さよりも、Retinaディスプレイを搭載していないのはやはりハンデを感じる。iPhoneやiPad、MacBook ProやMacBookでRetinaディスプレイを見慣れていると、どうしてもMacBook AirのRetinaではないディスプレイは粒感が出ていてどうしても見劣りしてしまうものだ。かといってRetinaディスプレイを搭載するとMacBookとの区別が難しくなる。。やはりMacBook Airはなくなっていく方向なのだろうか。
記事は以上。
（記事情報元：Business Insider）