以前、Project ZeroセキュリティプロジェクトのIan Beerがセキュリティホールを発見し、それらのセキュリティホールはあの著名なiOS脱獄ハッカーLuca Todescoによって、iOS 10.0〜10.2対応脱獄ツール”Yalu”に使われた。それによって、脱獄業界ではApple TV 4G(第4世代、Apple TV 4とも)も脱獄できる可能性が高いとされてきた。
iOSの脆弱性はtvOSにも存在する
iOS 10.2対応脱獄ツール”Yalu”がリリースされた後、脱獄業界では”Yalu”の分析・解析が始まったが、その中で使われている多くのセキュリティホールがtvOSにも存在することがつきとめられた。
またApple TV脱獄ツール開発者でハッカーの@nitoTVもその後、脱獄ツール”Yalu”の脱獄はある程度の調整と修正を加えればtvOSに移植可能だと発言している。
ハッカーJonathan Levin氏によって既にApple TV 4G対応脱獄ツールは完成している!リリースを待つのみ
しかしその後@nitoTVはtvOSの脱獄ツールの開発を中止したと発表した。その理由は他のデベロッパがこのプロジェクトを進めているから、とのことだったが、その他のデベロッパとは、ソフトウェア顧問でiOS内部に関する専門家のJonathan Levinのことであろう。
昨日Jonathan LevinはTwitter上で、既にtvOSの脱獄ツールの開発を終えており、もうじき詳細とダウンロードを提供するとツイートしている。
Took buying another 10.1 TV to make up for one I foolishly botched, but the #TvOS #Jailbreak is finally done! Details, download coming soon. pic.twitter.com/ksc0270y6F
— Jonathan Levin (@Morpheus______) 2017年2月26日
最新のtvOS 10.1.1には非対応
どれほどのApple TV 4Gのユーザがこの情報を心待ちにしていたかはわからないが、tvOS 10.1或いはそれよりも低いバージョンのまま維持してきたユーザは、特に期待しているに違いない。なお上記のLevin氏によるtvOS脱獄ツールはtvOS 10.0〜10.1対応となり、最新のtvOS 10.1.1は対象外になるからだ。
なお最新のtvOS 10.1.1はiOSでいうと10.2.1に相当し、Yalu脱獄ツールはiOS 10.2.1で既に脆弱性・セキュリティホールを利用したexploitが無効になっている。つまり、tvOS 10.1.1でもやはりexploitが無効になっていると考えられるのだ。
Apple TV 4Gをお持ちの方で、脱獄したい方はtvOS 10.0〜10.1のままにしておこう。
Apple TV=tvOS脱獄の意義には疑問が残るものの。。
一部のユーザは、Apple TV 4Gはかなりユーザにカスタマイズの幅を与えており、またユーザ数そのものが少ないため、脱獄界はApple TV 4Gの脱獄ツールの開発のために精力を注ぐよりもiOSの脱獄ツールに集中した方がいいと指摘する。
確かに、Apple TVのtvOSを専門とするハッカーは非常に少なく、Apple TV用の脱獄アプリや脱獄Tweakは殆ど存在しないことから、脱獄してもあまり意味がないという事実もある。ただ最近はこれまでよりも多くのユーザがtvOS脱獄のテストプログラムに参加しているといい、そうなればtvOS脱獄プラットフォームもこれまでよりは盛り上がりそうだ。
Cydia Substrateがサポートされたら実用性が飛躍的に向上
一部のユーザは、tvOSの脱獄ツールがCydia Substrateをサポートすることを熱望している。なぜなら、それによってiOSでも使用できた一部の脱獄アプリや脱獄Tweak、そして他の標準ではサポートされていないアプリなどもインストールすることができるようになるからで、そうすることでtvOS脱獄の実用性は飛躍的に高まるからだ。
ただ、今回のJonathan Levinによる脱獄ツールがCydia Substrateをサポートするかについては明らかになっていない。
画蛇添足 One more thing…
現在のところ、私自身はtvOS脱獄のメリットはVPNの使用が可能になるくらいしか考えられないのだが。。
記事は以上。
(記事情報元:iDownloadBlog)