サイトアイコン 小龍茶館

【実機レビューあり】PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro、海外レビューは「画面は最高、タッチはおまけ」

Macとして初めてタッチ操作に対応した【MacBook Pro】、正式名称「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」が、本日11月6日(金)に日本で発売されました。Apple日本の製品ページにも「11月6日発売」と明記されています。日本の税込価格は14インチのM5 Proモデルが499,800円から、16インチのM5 Proモデルが599,800円から、米国では2,899ドル(約45万8,700円)からと3,399ドル(約53万7,800円)からです。発売前日の11月5日(米国時間)に海外メディアのレビューが一斉に解禁され、MacRumorsのまとめを読むと、The Verge、WIRED、Gizmodo、Bloomberg、9to5Macの評価は「画面は最高、軽さは本物、タッチはあれば嬉しい程度」で見事にそろっています。当ブログは10月29日の記事で「7万円の上乗せの中身は画面とタッチと軽さだけ」と書きましたが、レビューを読む限り、その7万円のうちタッチの取り分はほとんど無さそうです。

画像:Apple(日本)(製品ページ)

5媒体のレビューで一致した「画面は最高、タッチは忘れる」

画面の評価は全媒体で絶賛です。BloombergのChris Welch氏は16.3インチの2層タンデムOLEDを「genuinely striking(本当に印象的)」と評し、9to5MacのChance Miller氏は「The PROLED XDR Display is stunning(息をのむほど)」と書き、mini-LED版で気になっていたブルーミング(明るい部分の周りがにじむ現象)が消えたことと視野角の改善を挙げています。EngadgetのDevindra Hardawar氏は「ノートPCで見た中で最も明るいOLED」としつつ、普段の作業ではmini-LED版との差を感じにくく、差が出るのは映画「F1」の花火のシーンのようなHDR映像だと正直に書いています。

一方のタッチ操作は、どの媒体も「なくても困らない」という評価です。The VergeのDavid Pierce氏はタッチがノートPCの体験を大きく変えるには至らないとしたうえで、写真編集でのピンチズームや動画を直接タップする操作は思ったより使ったと述べています。WIREDのLuke Larsen氏は作業中はタッチ画面の存在を「completely forget(完全に忘れる)」、ただし通知を指で払うときやソファでスクロールするときには便利だと書いています。GizmodoのKyle Barr氏は「ときどき便利で、万能ではない」とし、iPhoneミラーリングの画面を指で操作できるのは有用だが、実機のiPhoneほど反応は素早くないと指摘しています。9to5MacのMiller氏の結論は「タッチはMacの使い方を根本的には変えていないが、遅すぎたくらいの歓迎すべき追加」でした。5人が5人とも、タッチは買う理由から外しています。

タッチでできないこと:画面キーボード無し、Apple Pencil非対応、ボタンは2回タップ

レビューで具体的に分かった制限が3つあります。1つ目は、テキスト入力欄をタップしても画面上にキーボードが出ないことで、The Vergeが明記しています。2つ目は、Apple Pencilがまったく使えないことで、これもThe Vergeの指摘です。Apple日本の製品ページがタッチの用途として挙げているのは「スクロール」「2本指のピンチによるズーム」「指での描画」で、Apple Pencilへの言及は発表時のニュースルームにも製品ページにもありません。ということは、iPadのように画面に直接ペンで書き込む使い方は想定されていないということです。3つ目は操作の細かな違和感で、9to5MacのMiller氏はウインドウ左上の信号機ボタン(閉じる・最小化・拡大)が1回目のタップでは展開するだけで、同じ場所を2回続けてタップするのが少々不格好だと書いています。画面に付いたゴミを払おうとして誤タップしたこともあったそうです。そしてMiller氏の「腕は疲れる」という一言のとおり、タッチを主な入力手段にするのは人間工学的にひどいと断じています。

タッチ画面を指で押しても画面がぐらつかないようヒンジは硬めに作り直されていて、Engadgetもヒンジが硬くなった点以外に大きな変更はないとしています。macOS 27では既存アプリでもタッチがクリックとして扱われるので、対応アプリを待たずにすぐ使えますが、Engadgetが試したゲームでは一部の操作が発動しなかったり、トラックパッドの方が正確だったりと、タッチならではの精度の高さまでは期待しない方がよさそうです。

7万円の上乗せは画面と軽さの代金、レビューがそれを裏付けた

当ブログの10月29日の記事で整理したとおり、OLED版はチップ・メモリ・SSD・バッテリー駆動時間・ポート構成がmini-LED版(Liquid Retina XDRディスプレイ搭載モデル)と1つも違わず、日本では14インチで7万円、16インチで8万円、米国では400ドル(約6万3,300円)の上乗せです。今回のレビューで、その上乗せ分のうち体感できるのは画面と軽さだという裏付けが取れました。重さはApple日本の仕様ページで14インチが1.38kg(mini-LED版は1.60kg、約14%減)、16インチが1.82kg(同2.14kg、約15%減)で、9to5MacのMiller氏は16インチについて「軽くはないが、戦車のような感じではなくなった」と書き、これまで14インチM4 Proを使っていた自分が16インチへの乗り換えを考え始めたと述べています。Engadgetは14インチについて「MacBook ProというよりMacBook Airに近い感覚」としています。

画像:Apple(日本)(製品ページ)
Appleは10月28日(米国時間)、Macとして初めてタッチ操作に対応した【MacBook Pro】、正式名称「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」をAppleニュースルームで発表しました。日本の税込価格は14インチのM5 Proモデルが499,800円から、16インチのM5 Proモデルが599,800円からで、日本では10月29日に予約注文が始まり、11月6日(金)に発売されます。画面は2層のタンデムOLED、画面上部はノッチに代わってDynamic Islandになり、重さは14インチが1.38kg、16インチが1.82kgです。当ブログでは26日に「14インチは約52万円か」と試算し...
【タッチ対応・14インチ499,800円】PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro、11月6日発売 - 小龍茶館

つまり16インチOLED版の1.82kgは、これまでの14インチmini-LED版の1.60kgより0.22kg重いだけですから、画面の大きさを諦めて14インチを選んでいた人が16インチに戻れる、というのが今回の軽量化の一番大きな意味だと考えます。逆に、机の上で外部ディスプレイにつないで使う人にとっては、同じチップのmini-LED版が7万円安く残っているので、レビューを読んだ後でも結論は10月29日の記事と同じです。

バッテリー実測は14インチで約12.5時間、低音は強すぎて調整できず

バッテリーの実測を載せたのはEngadgetだけです。14インチ(M5 Pro・48GBメモリ)は、ブラウザのタブ・Slack・画像編集・執筆・ビデオ通話を混ぜた作業で約12.5時間、16インチはコーディングを模したベンチマークスクリプトで10時間15分でした。Appleの公称はワイヤレスインターネットで14インチM5 Proが最大14時間、16インチM5 Proが最大17時間、ビデオストリーミングならそれぞれ22時間と24時間です。14インチの約12.5時間は公称の14時間の約9割ですから、普通の仕事なら公称に近い数字が出るということです。16インチの10時間15分は負荷の高いスクリプトを回し続けた結果なので、公称の17時間と直接比べる数字ではありませんが、重い処理を続ければ1日の勤務時間ぎりぎりと見ておいた方がよいでしょう。9to5MacのMiller氏も厳密な計測はしていないとしたうえで、16インチM5 Proは公称の17時間に近いペースだと体感を書いています。

スピーカーは意外な指摘がありました。Appleは低音が50%深くなったとうたっていて、Engadgetと9to5Macは素直に絶賛していますが、BloombergのWelch氏は音楽やポッドキャストでは低音が強すぎて逆効果になる場面があり、しかも低音を抑える簡単な手段が無いと書いています。macOSのサウンド設定にはiPhoneのようなイコライザが無いので、気になる人はミュージックアプリ側のイコライザや外部スピーカーで調整することになります。Dynamic Islandについては、Six ColorsのJason Snell氏が、ノッチが小さな円形の切り欠きに変わり、Appleはそこを空白のまま残さずiOSから流用してMacのDynamic Islandにしたと説明しています。ただしメニューバーの真ん中にある点は変わらず、メニュー項目はノッチのときと同じく島を飛び越えて並ぶとのことです。Engadgetは見た目の差について「それほど大きくない」と冷静です。光るAppleロゴはMiller氏いわく「不要だけれど、戻ってきて本当に嬉しい」とのことで、画面の明るさと周囲の明るさに連動して光り、閉じると金属の質感に見えるそうです。

中国も本日発売、22,999元からで円換算では日本が一番安い

中国本土でもIT之家によると日本と同じ11月6日に発売され、14インチM5 Pro(24GB・1TB)が22,999元(約54万5,300円)から、16インチM5 Pro(24GB・1TB)が27,999元(約66万3,900円)から、最上位の16インチM5 Max(40コアGPU・48GB・2TB)が43,999元(約104万3,200円)です。日本の499,800円と599,800円と比べると、14インチで約4万5,500円、16インチで約6万4,100円、中国の方が高い計算です。日本の16インチM5 Max(36GB・2TB)の829,800円に相当する中国の構成は38,999元(約92万4,700円)で、差は約9万4,900円に広がります。中国の価格には13%の増値税(付加価値税)が含まれているとはいえ、10月29日の記事で税抜きどうしを比べたときと同じく、円に直すと日本・米国・中国の3か国で日本が一番安いという並びは発売日になってもそのままです。中国在住の日本人が買うなら、日本で買って持ち込む方が安いということです。

小龍的にはこう思った

発売前日のレビュー解禁で、OLED版を買うかどうかの判断材料はほぼ出そろったといえます。小龍的には、OLED版を買うべき人は、持ち歩く人と屋外で画面を見る人、そして16インチの画面が欲しいのに重さで諦めていた人です。画面は全媒体が絶賛し、軽さは「持ち上げた瞬間に分かる」レベルで、この2つに7万円を払う価値はあるというのがレビューの総意でした。

一方で、タッチを目当てにOLED版を選ぶ理由は、5本のレビューを読んだ限りゼロに近いといえます。画面キーボードは出ず、Apple Pencilも使えず、使っていること自体を忘れると5媒体がそろって書いているのですから、Appleが発表時に「キーボードとトラックパッドに加えて使う追加の入力手段」と控えめに位置付けたのは正直な説明だったということになります。画面に直接ペンで書きたい人は、素直にiPad ProとApple Pencilの組み合わせを選んだ方が幸せでしょう。

そして机の上で外部ディスプレイにつないで使う人は、同じM5 Pro・M5 Maxのmini-LED版が7万円安く併売されているので、mini-LED版を選ぶ方が賢明です。Bloombergの低音の指摘は好みの問題でもありますが、Engadgetの「普段の作業ではmini-LED版との差を感じにくい」という一言は、外部ディスプレイ派にとっては一番参考になる評価といえるでしょう。

実機レビュー

というのは建前で、私も発売日に中国の代理店で触ってきましたが、、画面を直感的に操作できるのは実は結構ありだと感じました。今までMacBook Airを使っていても思わずタッチをしたくなる瞬間ってあったんです。それが実現できます。さすがにAppleもiPadで慣れている分、めちゃくちゃ動きもきびきびとしていると感じます。小さいボタンはタッチすると拡大して表示されるなどにくい演出もあります。心配事として、パネルを押すことで本体ががたがた動かないか気になっていましたが、そこもしっかり配慮して、タッチ対応のMacBookとは違う作りになっています。しっかりと作り込んできていますね。それから画面がともかく綺麗です。mini-LEDとはやはり全く違う質感だと個人的には感じました。素晴らしいです。その上で、更に14インチの軽さは驚きです。Airの13インチとそれほど変わらない気さえします。リュックに入れたらそんなに変わりません。更に更に、背面のAppleロゴが光るのがMacBookとして10年ぶりに復活したのもいいです。正直かなり欲しくなりました。今Mac miniをサーバとして使っていないので、Mac miniとMacBook Airを売って今回のタッチ対応MacBook Proのメモリ上級モデルを買い(M5 Pro、、Maxまではいりません)、家では外部ディスプレイ、外出時には軽くてかつパワフルでタッチも使えるMacBook Pro 14インチ1台だけで回す、というのは結構ありなんじゃないかなと思うようになってきました。私自身はそれほど重い作業は必要なく、今のM2 Pro Mac miniやM3 MacBook Airで不満がないくらいですからね。真面目に検討してみたいと思っています。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors、9to5Mac、Engadget、Six Colors、Apple Newsroom、Apple(日本)、IT之家。円換算は三菱UFJ銀行の公表相場(2026年11月5日公表、仲値TTM=1ドル158.21円、1元23.71円)による参考値です)

モバイルバージョンを終了