Appleは10月28日(米国時間)、Macとして初めてタッチ操作に対応した【MacBook Pro】、正式名称「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」をAppleニュースルームで発表しました。日本の税込価格は14インチのM5 Proモデルが499,800円から、16インチのM5 Proモデルが599,800円からで、日本では10月29日に予約注文が始まり、11月6日(金)に発売されます。画面は2層のタンデムOLED、画面上部はノッチに代わってDynamic Islandになり、重さは14インチが1.38kg、16インチが1.82kgです。当ブログでは26日に「14インチは約52万円か」と試算しましたが、実際はそれより約1万6,000円安い価格に収まりました(大差ないですが)。
日本の価格は499,800円から829,800円まで、学生・教職員は473,800円から
Apple日本の発表による税込価格と、米国の税別価格を並べると次のとおりです。
- 14インチM5 Pro:499,800円(米国2,899ドル=約45万7,500円)
- 16インチM5 Pro:599,800円(3,399ドル=約53万6,500円)
- 14インチM5 Max:769,800円(4,499ドル=約71万円)
- 16インチM5 Max:829,800円(4,799ドル=約75万7,400円)
学生・教職員向けの価格は14インチM5 Proが473,800円、16インチM5 Proが564,800円、14インチM5 Maxが718,800円、16インチM5 Maxが778,800円で、通常価格より2万6,000円から5万1,000円安く設定されています。日本の税込価格を税抜きに戻し、米国の税別価格で割ると、4モデルの逆算レートは1ドル約155.5〜160.5円に収まります。14インチのM5 Proモデルでは約157円です。10月28日の相場は1ドル157.83円ですから、今回の日本価格は相場をほぼそのまま反映した水準といえます。ただしモデルごとに数円の幅があるため、Appleが為替の上乗せをまったく載せていないとまでは言い切れません。
mini-LED版との差は14インチで7万円、16インチで8万円、中身は画面とタッチと軽さだけ
9to5Macによると、3月に発売されたmini-LED(Liquid Retina XDR)版のM5 Pro・M5 Maxモデルは、同じ価格のまま併売されます。当ブログの26日の記事で整理した現行の税込価格は、14インチM5 Proが429,800円、16インチM5 Proが519,800円、14インチM5 Maxが699,800円、16インチM5 Maxが749,800円でしたから、OLED版への上乗せは14インチが7万円、16インチが8万円です。米国では14インチM5 Proが2,499ドルから2,899ドル、16インチM5 Proが2,999ドルから3,399ドルへと、どちらも400ドル(約6万3,000円)の上乗せです。26日の試算は「最大500ドル」という報道を前提にしていたので、実際の上乗せが100ドル少なかった分だけ、日本の価格も試算より安くなったという計算です。400ドルに現行機の価格比の約172円を掛けると6万8,800円で、14インチの7万円とほぼぴったり合います。16インチの8万円は米国の上乗せ分より少し多めです。
ここで肝心なのは、この7万円の中身です。Apple日本の仕様ページで最小構成を突き合わせると、14インチM5 Proは15コアCPU・16コアGPU・24GBメモリ・1TB SSD、16インチM5 Proは18コアCPU・20コアGPU・24GB・1TB、M5 Maxは両サイズとも18コアCPU・32コアGPU・36GB・2TBで、mini-LED版と1つも違いがありません。バッテリー駆動時間も14インチM5 Proがビデオ再生22時間・ワイヤレスインターネット14時間、16インチM5 Proが24時間・17時間で同じ、ポート構成も3つのThunderbolt 5とHDMI、SDXCカードスロット、MagSafe 3、ヘッドフォンジャックで同じです。ということは、7万円はチップでもメモリでもなく、OLEDの画面とタッチ操作と軽くなった筐体だけに払うお金だということになります。
そしてもう1つ、26日の記事では「同じ約52万円を出すなら、16インチのmini-LED版か、14インチのOLED版か」という選択になると書きましたが、実際の14インチOLED版は499,800円で、16インチmini-LED版の519,800円より2万円安くなりました。画面の大きさを取るか、OLEDと軽さを取るかという選択は残りますが、軽さ側の方が安いという、26日の時点とは逆の並びです。ちなみに16インチ化の上乗せはmini-LED版のM5 Proで9万円、OLED版では10万円で、M5 Maxはmini-LED版の5万円に対してOLED版は6万円と、どちらも1万円ずつ広がっています。
| 【MacBook Pro】のタッチ対応OLED版が、米国時間10月28日(水)に発表される見込みだと、Bloombergのマーク・ガーマン氏が25日のニュースレターで報じ、MacRumorsと9to5Macが伝えています。14インチと16インチの2サイズで、チップは3月に発売済みのM5 ProとM5 Max、画面上部はノッチの代わりにDynamic Islandになり、本体は現行より軽くなるということです。そして肝心の価格は、現行のmini-LED版より最大約7万8,000円(500ドル)高くなる可能性があるとのことです。当ブログでも「Pro and tell」の正式告知と11月6日発売説をお伝えし... 【28日発表か】タッチOLED MacBook Proは最大約7.8万円高、14インチは約52万円か - 小龍茶館 |
画面はタンデムOLEDで2,000ニト、タッチセンサーはパネルに内蔵
PROLED XDRは、2つの自発光ピクセル層を重ねたタンデムOLEDです。ピーク輝度はHDRコンテンツで2,000ニト、屋外のSDR表示でも2,000ニトで、mini-LED版の1,600ニット(HDR)・1,000ニト(SDR)から上がっています。コントラスト比は10,000,000:1で、mini-LED版の1,000,000:1の10倍です。リフレッシュレートは10Hzから120Hzの可変で、色域はP3に加えてAdobe RGBもカバーします。反射を抑えるNano-textureガラスは標準ではなくオプションです。解像度は14インチが3,024×1,986ピクセルで、mini-LED版の3,024×1,964より縦に22ピクセル増え、16インチは画面が16.2インチから16.3インチに広がって3,472×2,266ピクセルです。ピクセル密度は254ppiで変わりません。Appleの最高ハードウェア責任者であるジョニー・スルージ氏は発表文の中で「PROLED XDRは世界最高のノートブックディスプレイです」と述べています。
タッチの仕組みで目を引くのは、タッチセンサーをディスプレイパネルの上に重ねるのではなく、パネルの中に直接組み込んでいる点です。Appleは遅延を減らすためだと説明しています。画面を指で押してもぐらつかないよう、ヒンジも新しく設計されました。Appleはタッチを、キーボードとトラックパッドに加えて使いたい場面で使う追加の入力手段と位置付けていて、製品ページではスクロール、ピンチによるズーム、描画、3Dオブジェクトの操作、バーチャル楽器の演奏を例に挙げています。macOS 27では既存のアプリでもタッチがそのままクリックとして扱われ、ウインドウをダブルタップすると全画面、フリックでタイル配置になります。Apple Pencilへの言及は、ニュースルームにも製品ページにも出ていません。
Dynamic IslandがMacに登場、Touch IDは継続でFace IDは無し
MacBook ProのDynamic Islandには、ライブアクティビティとSiri AIが表示されます。Spotlightがここに移るのは、Siri AIが利用できる環境で有効にしている場合だけです。Siri AIはmacOS 27.2でベータ提供となり、日本語にも対応しますが、Apple Intelligenceを有効にするなどの条件があります。カメラは12MPのセンターフレームカメラで、デスクビューにも対応します。ログインは引き続きTouch IDで、9to5MacはFace IDも内蔵セルラーモデルも無いと伝えています。6スピーカーは低音が50%深くなり、3マイクアレイ、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Apple自社製のN1ネットワークチップを搭載します。外部ディスプレイはM5 Proモデルが最大3台、M5 Maxモデルが最大4台です。色はスペースブラックとシルバーの2色です。
14インチは1.38kgで0.22kg軽く、16インチは1.82kgで0.32kg軽く
重さはApple日本の仕様ページで、14インチがM5 Proで1.38kg、M5 Maxで1.40kg、16インチがM5 Proで1.82kg、M5 Maxで1.84kgです。mini-LED版は14インチM5 Proが1.60kg、16インチM5 Proが2.14kgですから、14インチは0.22kg(約14%)、16インチは0.32kg(約15%)軽くなりました。厚さも14インチが1.55cmから1.50cm、16インチが1.68cmから1.60cmへと薄くなっています。バッテリー容量は14インチが72.6Wh、16インチが100Whで、mini-LED版の72.4Wh・100Whとほぼ同じです。バッテリーを削らずに軽くなったのは、Appleの説明ではOLEDによってディスプレイの積層が薄くなったことと、画面側から熱を逃がす新しい熱設計によるものです。16インチOLED版の1.82kgは、これまでの14インチmini-LED版の1.60kgより0.22kg重いだけですから、16インチは重くて持ち歩けないと諦めていた人にとっては、今までの14インチに近い感覚で16インチを持ち出せるということになります。
一方、当ブログで同日にお伝えしたM6搭載の14インチMacBook Proは339,800円で、12コアCPU・12コアGPU・16GBメモリ・1TB SSD、重さは1.55kgです。14インチOLED版との差は16万円で、この差額がM5 Proへのチップの格上げとメモリ24GB、OLED画面とタッチ、0.17kgの軽さの代金ということになります。
| Appleは2026年10月27日(日本時間同日22時)、M6チップを搭載した14インチMacBook Proをプレスリリースで発表しました。Apple日本のニュースルームによると、日本の価格は339,800円(税込)から、学生・教職員価格は322,800円からで、予約注文は10月29日(木)、発売は11月6日(金)です。6月25日の値上げで現行のM5版14インチMacBook Proは339,800円に上がっていましたから、今回は値上げ後のM5と同じ値段でチップだけがM6に替わった形です。ただしApple日本の技術仕様ページを見ると、売り文句の「最大170GB/s」のメモリ帯域幅は24GB... 【値上げ後のM5と同額】M6搭載14インチMacBook Proは339,800円、16GBは帯域幅据え置き - 小龍茶館 |
中国は22,999元からで予約は10月30日、円換算では日本が一番安い
中国本土ではApple中国の製品ページによると10月30日午前9時に予約が始まり、発売は日本と同じ11月6日です。予約開始が日本より1日遅れます。価格はIT之家が22,999元(約54万4,400円)からと伝えていて、日本の499,800円より約4万5,000円高い計算です。中国の価格には13%の増値税(付加価値税)が含まれているので、それを除いた約20,353元(約48万1,800円)で比べても、日本の税抜き約45万4,400円、米国の税別約45万7,500円より高く、円に直すと日本が3か国の中で一番安いという並びになります。中国在住の日本人が買うなら、日本で買って持ち込む方が安いということです。できれば個人的にも中国本土版は避けた方がいいような気がします。
小龍的にはこう思った
今回のタッチ対応MacBook Proは、最小構成からバッテリー駆動時間、ポートまでmini-LED版と1つも違わないので、7万円の判断はとても単純になったと思います。OLEDの画面とタッチと0.22kgの軽さに7万円を払うかどうか、それだけです。チップの世代は同じですから、処理速度を理由にOLED版を選ぶ意味はありません。逆に言えば、外部ディスプレイにつないで机の上で使う人にとっては、同じ性能のmini-LED版が同じ価格のまま残っているので、慌ててOLED版を選ぶ理由は薄いといえるでしょう。
OLED版が生きるのは、持ち歩く人と屋外で画面を見る人です。屋外のSDR表示でも2,000ニトというのは、mini-LED版の2倍の明るさですから、カフェの窓際や屋外での作業がかなり楽になります。そして26日の記事で「同じ約52万円でどちらを取るか」と書いた16インチmini-LED版との比較は、14インチOLED版の方が2万円安いという結果になったので、画面の大きさより軽さを優先する人は迷わず14インチOLED版ということになります。
タッチについては、Appleが追加の入力手段と位置付けているとおり、iPadのようにタッチ中心で使うMacではなさそうです。画面を指で触る時代になっても、Macのロック解除は顔ではなく指のままで、Face IDは今回も見送りです。日本価格に織り込まれたレートが今の相場とほぼ同じ約157円だったのは、今回は素直に受け取ってよい部分です。ただし6月にはMacとiPadの価格が一斉に引き上げられた前例がありますから、円安がもう一段進めば、この価格がいつまで続くかは分かりません。ただやはり値上げ前出も、その価値に見合う値段かどうかを確かめることが大切です。iPhone Duoのような争奪戦があるわけでもないと思われますので、11月6日の発売を待ってじっくり店頭でタッチの感触と2,000ニトの画面を確かめてその価値を見極めてから、というのが一番確実かと思われます。
ちなみにタッチ対応MacBookが出たのは今回が初めてではありません。Appleにとっては大失敗の一つ、タッチバー(ファンクションキーのところがタッチになっているところ)が10年前には出てました。しかしユーザから非常に不興を買い、また故障も多いことから、結局廃止に追い込まれました。個人的にはキーボードにも画面にもタッチ入らない派です。古い輩だと思われるかもしれませんが、キーボードとマウス(トラックパッド)操作に慣れたら、もうそれで最適化されている自分がいるのです。若い世代や、クリエティブな人にはよいかもしれませんが、MacBookでお絵かきは辛そうです(iPadならOKですが)。今後macOSとタッチの対応がどれだけ進むか、個人的にはあまり興味がありませんが興味がある方もいらっしゃると思うので今後も追いかけていきたいと思います。といいつつ私はタッチ対応MacBook Proは買いません。性能はMacBook AirまたはNeoで十分で、重さがいくら軽くなったとはいえAirの軽さにはかなわないからです。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple、Apple(仕様)、9to5Mac、IT之家。円換算は三菱UFJ銀行の公表相場2026年10月28日の仲値TTM=1ドル157.83円、1元23.67円で計算した参考値です)
