毎年1回行われる、Apple主催のWWDC(WorldWide Developer Conference、世界開発者会議)。今年のWWDC 2015は6月8日(日本時間6月9日)に行われる。もうすぐだ!
WWDCを通じてAppleの未来が見えるため、Appleの存在感が増せば増すほど、この会議はAppleのファンだけではなく、ライバルや提携企業などからも大変な注目を集めることになった。現在はテック業界で最も重要なイベントの1つとして認識されているのは間違いない。
WWDCは1990年から開始され、既に25年の歴史がある。ここで、これまで重要な発表があった年のものを抜粋して紹介したい。
WWDC 1996:Copland
1996年のWWDCでは、Appleは全てをCopland OSに集中させた。このOSではマルチタスクを完全サポートしていなかったが、AppleはこれがMac OSの未来だと考えていた。当時のCEO、ギル・アメリオ(Gil Amelio)はこのOSを夏の終わり頃に発表するとWWDCで語ったが、最終的には皆さんご存じの通りAppleはNeXTを買収し、NeXT OSを中心に発展していくことになる。非常に長い時間をかけて完成しなかったCoplandは、1996年8月に正式に開発が停止された。
WWDC 1997:ジョブズの復帰
WWDCのステージに戻ってきたスティーブ・ジョブズは、雷鳴のごとき拍手で迎えられた。この年のWWDCで、ジョブズは蕩々と自身のAppleとテック業界の未来に関する展望を語った。”Think Different”という言葉もこの年に出たものだった。ちなみにジョブズはこの1997年のWWDCで、iCloudのようなクラウドサービスの出現を予言している。18年も前の出来事なのだから驚きだ。
WWDC 1999:PowerBook G3
1999年のWWDCではAppleはOS XのDarwinコアについても紹介したが、やはり焦点は1999版PowerBook G3(コードネーム: Lombard)にあてられた。人々を魅了する古い銅のような色のキーボードを持ったPowerBook G3は、これまでの機種に比べていくつもの改善点を持っており、オンボードUSBやオプション選択可能なMPEG-2デコーダなどが搭載された。そしてもちろん人々を興奮させた改善点は、従来モデルより20%も薄く、軽くなっていたことだ。重量は0.9kgにも満たず、バッテリー寿命も長くなっていたのだ。
WWDC 2000:Mac OS X
Appleの利益が下がっている中、スティーブ・ジョブズの指導の下とうとうMac OS Xがリリースされた。これは革命的なOSで、15年経った記事更新現在でも当時のMac OS Xのデザインややり方を色濃く受け継いだOS X(OS X 10.10 Yosemite)が続いていることからも、その偉大さがわかるだろう。当時としてはMac OS Xは非常に前衛的なデザインで、下側のアプリランチャーであるDockもこのときに出現した。Mac OS Xの初代(Mac OS X 10.0)のコードネームはCheetah(チーター)だった。それ以降のMac OSには10.0、10.1とバージョンがつけられ、コードネームは10.9のMavericksで地名(観光地)に代わる前までは、大型のネコ科の動物の名前がつけられるようになった。
WWDC 2002:バイバイ、Mac OS 9
2002年、スティーブ・ジョブズがWWDCの主旨演説の時に、葬式の形式でMac OS 9の死を宣告し、そして完全にMac OS Xの時代に入ったことを宣言した。こんなユニークなやり方はさすがに今のCEO、ティム・クックにはできないかもしれない。更にAppleはSherlock3、Rendezvous、Quartz Extreme、そしてOS X 10.2 Jaguarをリリース発表した。
WWDC 2003:Power Mac G5
PowerMacintosh G5(Power Mac G5)は、新たにIBMのPowerPC G5を搭載したMac製品だ。2003年のWWDCで、スティーブ・ジョブズは自ら少々年寄りとなってしまっていたPower Mac G4の代わりとしてこの新製品を紹介し、その売り文句として”スーパーハイエンド”という称号を与えた。そしてその称号は2006年にAppleによって発表されたIntel Mac Proに受け継がれることになる。
WWDC 2005:Intelチップへの過渡期
この1年はAppleのパーソナルコンピュータ戦略に巨大な変化が起こった年だった。彼らはIBMのPowerPCプロセッサをやめ、Intelのx86プラットフォームのプロセッサの採用を決めたのだ。1994年以来、AppleはずっとIBMのチップを使ってきた。この改変はデベロッパにとって、Appleプラットフォームをサポートし続けるにはソフトウェアのコードを書き換える必要があることを意味していた。
WWDC 2006:Boot Camp
Boot CampはAppleがリリースした、Mac上で別のOS(Windows等)が使用できるようになるMac OS Xに内包されたシステムツールだ。Boot Campは2006年4月5日に、Intelプロセッサを搭載したMacでWindowsが実行できるとしてパブリックベータ版がリリースされていた。このBootCampによって、MacがベストなWindows PCに生まれ変わったという人もいたほどだ。
WWDC 2007:iPhone
2007年のWWDCでは”Get a Mac”というテーマが用いられた。広告ではジョブズはWindows Vistaの売れ行きがあまりに良いので、彼はAppleを離れて会社をたたもうとしている、というジョークまで飛ばした。しかしこんなジョークは後でとんでもない嘘だとわかった。。なんといってもその日の主役はiPhone(初代iPhone、iPhone 2G)だったから。
WWDC 2008:App Store
この年のWWDCのチケットはすぐに売り切れた。これはAppleがはじめてWWDCでチケットが売れ残るのではないかという心配から解放されたWWDCとなった。iPhone 3GとiOS2、iOSアプリ開発用SDK、そしてオンラインApp Storeが公開された。デベロッパー達はほとんど狂喜乱舞していた。同時にSegaとeBayのiPhone用アプリが公開され、モバイルアプリ業界はここから立ち上がったといっても良い。
WWDC 2011:スティーブ・ジョブズの最後の基調講演
2011年6月6日のジョブズのWWDCのステージ上の演説が、彼の最後の基調講演となった。ジョブズは最後のWWDCで、iCloud、OS X LionとiOS 5をリリース発表した。この講演の後、ジョブズが公の場に姿を現したのは1回だけで、それはAppleの新しいキャンパスのためにクパチーノ市議会に新キャンパス建設計画の批准を求めに行ったものだった。同年8月24日にジョブズは正式にAppleのCEOの職を辞することを発表し、その後わずか2ヶ月足らずの10月5日にその短い生涯を終えた。
WWDC 2013:iCloudキーチェーン
OS X 10.9 MavericksとiTunes RadioとiWork for iCloudがこの年のWWDCで発表されたソフトウェアだった。またiCloudキーチェーンもここで発表され、これによってシステムが自動的にあなたのパスワードやクレジットカードの情報をiCloudに保存し、iOS7やOS X Mavericksデバイスと同期するようになった。Appleは更にクラウドサービスに投資をしていくことを発表した。
WWDC 2015:?
さて、今年のWWDC 2015では何が発表されるだろう?iOS9、OS X 10.11、HomeKit、Apple Watch用アプリなどが中心になるといわれているが、はてさて。。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)