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“Think Different”のCMディレクターのケン・セガル氏「今のAppleにはジョブズの精神がまだ生きている」

Appleによる有名な1997年の広告、”Think Different”は、広告史上最も成功した事例として評価され、人々の脳裏に刻まれている不朽の名作です。数日前、この”Think Different”のクリエイティブ・ディレクター、ケン・セガル(Ken Segall)氏がインタビューの際に、Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズの精神がまだApple社内で生き続けていると回答しています。

“Think Different”のディレクターのケン・セガル氏、インタビューでスティーブ・ジョブズとAppleについて語る

セガル氏は≪The Korea Herald≫で3日前のインタビューでジョブズとセガル氏の仕事について、またAppleに関わるいくつかの話題について語っています。セガル氏はかつてAppleのクリエイティブ・ディレクターとしてジョブズと共に12年仕事をし、Appleが業界を塗り替えた製品の広告を担当しました。その中には、冒頭で紹介した”Think Different”のCMも含まれています。セガル氏は、現在のAppleも、ジョブズの後を継いだティム・クック(Tim Cook)CEOのリーダーシップのもと、イノベーションを続けていると考えているようです。

左から二番目がケン・セガル氏、その右がスティーブ・ジョブズ

「スティーブは非常に独特な人で、永遠に彼の代わりはいないでしょう。だからAppleは元のまま、というわけがないのです。しかし、私は彼の価値は今でもそこにあると思っていて、才能がある人もそこにいると思っています。だから、全てが前に向かって発展しているのです。それはまさに、イノベーションの歩みと一緒なのです」と語っています。

サムスンとの特許裁判については、Appleも他社のものを”参考”にしていることを指摘

Appleと競争相手のサムスン(SAMSUNG)との関係について、セガル氏はこの2社の理念が異なることを指摘していますが、ある面では似ているとしています。両社による7年にも及ぶ特許裁判についてセガル氏は、両社ともに他社の要素を”参考”にしているというのです。セガル氏は「サムスンは間違いなくAppleのアイデアを参考にしていますが、同時にAppleも他人の多くのアイデアを参考にしています。これは法律の問題だと思います」と発言しています。

スマートフォンにはもはやもうそれほどイノベーションの余地はない?

最後に、セガル氏はスマートフォンの分野においてはもはやもうそれほどイノベーションの余地が残っていないとしていて、これはコンピュータ市場の変化と似ていて、Siriなどのボイスヘルパーや、その他の言語に基づいたアプリケーションなどにまだ少しイノベーションの余地があるとしています。その上、スマートフォンは非常に成熟した製品で、消費者はもうスマートフォンでのイノベーションでいわゆる”巨大な飛躍(huge leaps)”は期待しない方がいいともしています。セガル氏は更に、社会全体が少しずつウェアラブルデバイスを受け入れるようになるのに従って、スマートフォンは将来的には一種の日常用品と化すと述べています。

小龍のひとりごと:優等生企業になっているApple、今後イノベーションを起こせるのか?

実際、既にスマートフォンは、使っている殆どの人の日常用品となっていて、しかも衣服など身に付けるものの次に最も長く使うものになっているのではないでしょうか。また、バッテリーなど動力源の飛躍的なイノベーションがあれば、スマートフォンを含むその他通信機器のイノベーションはまだまだ起こると思います。もっとも、今のようなスマートフォンの形状とは限らず、体にピッタリ身に付けたり、脳に埋め込んだりする形になっていくかもしれませんが。。

Appleは現在、AR/VRや自動運転技術などの新しい分野での研究開発を行っていることは知られています。しかし、会社そのものは既に押しも押されぬ超巨大企業になり、ジョブズが当時”Think Different.”と掲げた反骨精神・対抗精神(海賊精神?)とはかけ離れ、どちらかというと優等生企業になってきています。もちろん、ジョブズが97年に”Think Different”を掲げた頃はまだジョブズが復帰直後で、Appleは数十億ドルもつっこんで開発したNewton MessagePad(ニュートン)の大失敗で危機的状況にあったので、そういった状況下では対抗精神は起死回生に役立ったかもしれませんが、現在のような大成功を収めた後の会社にはそのような精神は逆に邪魔になるのかもしれませんね。

Appleは新しい分野でまた大きなイノベーションを起こすことができるのでしょうか?セガル氏の言うように、ジョブズの精神がまだ生き続けているなら、Appleには期待してしまいますね。

記事は以上です。

(記事情報元:The Korea Herald

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