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Appleは19Q1で北米で1460万台のiPhoneを出荷、シェアは40%を保つ

マーケティングリサーチ会社のCanalysは、2019年第1四半期(以下2019Q1)に北米のスマートフォン市場を調査した新しいレポートを本日発表しました。Canalysによると、北米スマートフォン市場全体の出荷台数は前年同期比で18%減少し、3,640万台に留まったということです。

Canalysのデータによると、2019Q1でAppleは北米で1,460万台のiPhoneを出荷しましたが、前年同期比で19%減少しています。つまり、北米スマートフォン市場全体の縮小とほぼ同じレベルになったということです。そしてそのうち450万台がiPhone XRだったということで、北米で2019Q1に出荷されたiPhoneのうち3分の1近くがiPhone XRだったことになります。ちなみに、サムスン電子(SAMSUNG)は前年同期比で3%の出荷台数増加となりましたが、同じく韓国のLGは24%減少しています。

AppleのiPhoneは前年同期比19%の減少となったものの、北米では依然として40%の市場シェアを確保しています。またサムスンは29.3%となり、LGは14.4%となっています。

Canalysは、Appleが今年3月に入ってから旧機種の下取り価格を上げて新機種への買い替え促進プロモーションを展開した結果、iPhone XRの売上げが増えたとしていて、iPhone 6sやiPhone 7などの古いiPhoneの携帯電話会社向けおよび小売店向けの割引も販売に寄与したとしています。ただし、最終的に2019Q1のiPhone出荷台数の不足を補うことはできませんでした。

Canalys Researchのアナリスト、Vincent Thielke氏はさらに次のように述べています。

フラッグシップ機種(iPhone XSシリーズ)のiPhoneの出荷台数の増加は続いていましたが、Appleの第1四半期の落ち込みは、キャリアなどの販売チャネルからの注文と消費者需要との間に断絶があり、そのため2019Q1の初期出荷はAppleにとって困難な状況をもたらしました。3月に入り、iPhone XRの出荷台数が急増しました。これは、AppleのiPhoneの販売課題が自社の中で緩和され始めている可能性があるという初期の兆候とみられます。Appleは下取りプログラムを販売メカニズムの前面に押し出し、注文プロセスの中心に据えるようになりました。現在ではフラッグシップ機種のiPhoneは下取りを含んだ正味価格をマーケティングにも使用しています。

つまり、Appleは買い替え需要の掘り起こしをiPhone販売のマーケティングの中心に置くようになったということですね。確かに既存ユーザはAppleのブランド力やiCloud、Apple Watchなどの囲い込みによって忠誠度が高く、買い替え需要を掘り起こすことは非常に重要ではあります。ただ、iPhoneのハードウェア的な優位性はかなり小さくなっており、今年はiPhoneのアップデートも外観の変更がほぼなく5Gも導入されないなど、消費者の期待ほどは行われないことが予測されていて、苦戦が予想されます。似たような性能か、部分的な性能としてはiPhoneよりも優れているAndroidスマートフォンが、iPhoneの半額かそれ以下で出ているのが現実です。iPhoneは価格も含めて何かがらっと変わらないと、今後も売上げとシェアを落とし続けることになるのではないでしょうか。

Canalysのレポートは北米のみに限ったもので、お膝元の北米やApple大好きな人が多い日本では高いシェアを保っていますが、世界的にみると巨大な市場の中国ではAppleはすっかりその求心力をなくしていますし、同じく大きな市場のインドではシェアが1%にも満たない悲惨な状況です。特に中国はファーウェイ(HUAWEI)対策を含むテコ入れをしていかないと、どんどんシェアを失っていくことになるでしょう。

Canalysの完全なレポートはこちらで読むことができます(英語)

(記事情報元:9to5Mac

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