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Appleとグーグル、ハリケーン「マリア」の被災地では、手を組んで気球で被災地支援へ

被災地支援という状況の下では、犬猿の仲ともいえるAppleとグーグル(Google)は協力することができるようです。グーグル側が先日、Apple及びAT&T(アメリカの携帯キャリア)、また各政府機関と連携し、グーグルのProject Loonの気球を使い、プエルトリコに無線でネットに繋がるようにしたとのことです。

Project Loonの責任者は、グーグルとAppleの今回の提携は、ハリケーン「マリア」によって被害を受けた数千名のプエルトリコの住民に対して、もう一度ネットワークに繋がる可能性を与えるためだとしています。現在、気球は既にハリケーン「マリア」による被害が最も大きかったあたりの上空に複数浮かんでおり、それによって地上で破壊されたネット基礎インフラの代わりになるとのことです。

ハリケーン「マリア」がプエルトリコを襲った後、グーグルはこのプロジェクトでプエルトリコの各政府部門やアメリカの連邦通信委員会などの機関と連携することで、このProject Loonの気球をプエルトリコ上空に浮かばせる許可をとったということです。

またAppleは現在iOSのパケット通信設定アップデートを配布しており、それによってProject Loonが使用している、これまで使われることのなかったLTEチャンネルを使えるようになるようです。

Project LoonはGoogle Xラボの計画の1つで、多くの熱気球によって指定した地区の人に速度が速く安定したWi-Fi接続を提供する、というものです。Westgarth氏によると、Project Moonの気球は上空に100日その高さを変えずに浮かんでいることができたとされ、また個別には190日も浮いていられるものもあるとか。

実はProject Loonの気球が災害支援に使われるのは今回が初めてではありません。2016年のペルーでの洪水による災害においても、Project Loonは既に被災地で数千万人に基本的なインターネット接続サービスを提供したことがあります。天然の災害が発生したときに、通信手段の確保は極めて重要です。

まさか犬猿の仲だったAppleとグーグルが、災害を前にしてはやはり手を組んで災害支援にあたっているということで、面白い現象が起こっていますね。テクノロジーが災害支援に用いられること、そしてそのためにテック業界のトップ達が手を組む、というのはとてもいいことではないかと思います。

記事は以上です。

(記事情報元:Apple Insider

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