2015年度のPwn2Ownハッキングコンテストがカナダで現地時間3月18日〜19日に行われた。Pwn2Ownは世界でも最も有名なハッカーコンテストのうちの1つで、世界中から腕に覚えのあるハッカーたちが集まる。その中にはiOS脱獄の神と呼ばれる人たちも当然入っている。
Pangu TeamがPwn2OwnでiOS8脱獄について詳細を公表
中国のハッカーチーム、Pangu Team(盤古団隊)は数日前に既にWeibo(微博、中国版Twitter)にて、2人のメンバーをPwn2Ownに派遣し、そこでiOS8脱獄に関する技術の詳細について発表したとつぶやいた。
ただ、Pangu Teamはハッカーたちに将来の、例えばiOS8.2、iOS8.3等の脱獄方法について何らかの示唆を与えるようなことをしたかどうかは明らかにしていない(競争があるので、そこまではやっていない可能性がある)。
Pangu TeamはiOS8の脱獄ツールを世界で初めてリリースしたハッカーチーム
Pangu TeamはiOS8の脱獄ツールを世界で初めてリリースしたハッカーチームとして、2014年後半は中国国内のみならず世界的に名をとどろかせた(その前にiOS7.1の完全脱獄でも名を馳せていたが)。
しかしAppleがiOS8.1.1をリリースし、Pangu Teamが利用していた脱獄用セキュリティホールを塞いでからは、その名前はだんだん忘れ去られようとしている。
現在の脱獄ハッカーチームの主流はTaiGに
そんな彼らに代わって登場したのが同じく中国のTaiG(太極)チームだった。TaiGは現在はiOS8.2 Beta 1とBeta 2に対応した脱獄ツールもリリースしている(ただし、iOS8.2 Beta1とBeta2はiOS8.1.3までの脆弱性が塞がれていないだけだったりする)。
そして現行オフィシャルでは最新バージョンであるiOS8.2正式版(iOS8.2)についてはどこも脱獄ツールをリリースしていない。
i0n1cによれば、TaiGが月末にiOS8.2用の脱獄ツールをリリースするかも?
現在、世界的にも著名なセキュリティ専門家でiOS脱獄にも貢献してきた@i0n1c(本名Stefan Esser)によれば、TaiGによるiOS8.2正式版の脱獄ツールは早くて今月末にリリースされると予測されている。
Considering that TaiG scheduled that jb summit for end of March it is likely that they will release a jb at that meeting (if they have one)
— Stefan Esser (@i0n1c) 2015, 3月 13
もちろん、TaiGオフィシャルからはまだ何もそのようなことは発表されていない。
画蛇添足 One More Thing
前出の@i0n1cからは、中国のハッカーチームによる脱獄ツールの中の90%は西側が作ったコードや調査によるものだという。中国側が担当したのはたった10%だけにすぎないということだ。
We will see if there will be any future jailbreak from China at all – so far they rely to 90% on western code+research anyway.
— Stefan Esser (@i0n1c) 2015, 3月 17
とはいえ、ハッカーチームによるiOS脱獄ツールの競争については、最終的にマネタイズをして世界で最初に無償でリリースしたもの勝ちであるのは間違いない。西側ハッカーチームも悔しければ中国を出し抜いてリリースをすればいいだけの話だ。90%が西側でできているのに、中国にとられる理由を考えなくてはならない。
そして我々脱獄ユーザとしては。。正座して待つしかない!
記事は以上。