中国のメディアCCIDNetによると、業界内部からの情報として、中国大陸と台湾での指紋センサーのサプライヤーは、大幅に拡大する需要にこたえるべく、また自社の業務を拡大するため、2015年から指紋センサーの価格が競争によって5米ドル(約592円)まで下がっている可能性があるという。
台湾と中国のメーカーがしのぎをけずることで価格が下がっている
台湾の義隆電子、敦泰電子、神盾股份、原相科技及び映智科技は、2015年の上半期で新しい指紋センサーソリューションをリリースする予定だが、同時に中国大陸のIC設計メーカー、例えば匯頂科技や思立微電子などは早くも自主開発した指紋センサーの量産に入っているという。
指紋センサーの原価は3ドル、ということは5ドルでもメーカーは何とかやっていけそう
業界内部からの情報では、現在の指紋センサーの販売価格は約7、8米ドルだという。
だが台湾のIC設計メーカーの業界内部の人物によれば、0.18nmプロセスを用いて製造する指紋センサーの原価は約3ドルで、メーカーからすれば指紋センサーの販売価格が7、8ドルから5ドルに下がっても受け入れられるはずだという。
ただ、価格を下げることで競争に参加するしかないようなメーカーは、最終的には市場から淘汰されることになるとみられる。
既に代表的な指紋センサーメーカーが大手の受注をゲット
更に業界内部の人物によれば、中国大陸と韓国の多くの携帯(スマートフォン)メーカーが自社の製品のためにより価格の安い指紋センサーを探していたという。
メーカーがこぞって製品価格を引き下げた結果、前出の台湾の義隆電子はファーウェイ(HUAWEI、華為)の受注を、同じく台湾の映智科技はSAMSUNGの受注を、そして大陸の思立微電子はZTE(中興通訊)の受注、同じく大陸の敦泰電子と匯頂科技は中国大陸の二線級のスマートフォンブランドの受注をとったという。
画蛇添足
一昨年リリースされたiPhone5sに搭載されたTouch IDは、ロック画面を解除するか、App Store等Appleの公式ストアで買い物をする時にしか使えなかった。
しかし昨年秋からiOS8によってとうとうサードパーティ製のアプリに対してTouch ID機能の使用が解禁され、また9月にリリースされたiPhone6/6 PlusはTouch ID認証によるApple Payが誕生。
指紋センサーはスマートフォンでより便利に使えることをAppleが証明してから、iPhoneが火付け役になって今後のスマートフォンの大部分に搭載されていくことになるかもしれない。
ただ、当ブログで以前何回か指紋認証によるセキュリティの問題について書いている通り、指紋認証も絶対に安全なセキュリティではない。どこかに残されたその人の指紋、または指の先が写っている写真からでも指紋データを作り出すことができ、突破されてしまうという。
特に地位が高い人などは、指紋認証にはパスワードと組み合わせて使うなど、より慎重に使う必要があるだろう。
記事は以上。