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Appleのエンジニアが明かすFaceTime誕生秘話

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Apple(アップル)が2010年にWWDCでiPhone4を発表したとき、
更にもう1つ、ビデオでリアルタイムに会話ができる機能が紹介された。
またその当時のCEOだった故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が、
再度イベントの最後の”One more thing”というやり方で、この機能を再度紹介したのだった。

この機能は今では言わずと知れたFaceTimeのことだ。
FaceTimeを使えば、非常に簡単にビデオチャットをすることができる。
初めはiPhone4のデバイス間のみで可能で、
またWi-Fiしかサポートしていなかった。
その後、AppleもこのFacetimeを他の製品に搭載するようになり、
Mac、iPhone、iPod TouchやiPadでもFacetimeができるようになったほか、
Wi-Fiだけでなくパケット通信を使うこともできるようにするなど、
その機能の開放を続けている。

このFaceTimeを開発したエンジニアが、ロバート・ガルシア(Robert Garcia)。
AppleとSAMSUNGが現在繰り広げている第二次特許大戦の中で、
第四週にこのFaceTimeが実は最初はGame Center用に作られたものであることを明かした。

FaceTimeの原形は2007年にガルシアが開発した1つのアプリケーションまで遡る。
彼は当時そのソフトウェアで彼の電話とMacを繋ぎ、
音声通話をすることができた。

CNETの報道によれば、
その後1年経って、ガルシアと他のエンジニアは既に電話でMacのビデオエンコードを使用することができるようになっていたという。
彼自身の話では2008年、
iPhoneは既に素晴らしいゲームプラットフォームとなっており、
Game Kitというプロジェクトを会社から委任された。
このプロジェクトは、デベロッパーがiPhoneのゲーム内からネット接続することや、
音声通話をすることを実現するためのものだった。

Game Kitは最終的には2009年にGame Centerとなった。
そしてガルシアは自身が書いた音声通話機能プログラムを、
最終的にFaceTimeプロジェクトの硬い基盤として応用した。
その時のコードネームはVeniceで、
最終的にはGame Centerのために書いたプログラムコードが、
FaceTimeのために大いに役に立ったと証言している。

ガルシアと4人のエンジニア達はこのプロジェクトに多くの精力をつぎ込んでおり、
その他のいくつかのチームも技術的なサポートをしていたという。
Appleのコアな音響チームも音声通話の音質のアフターエフェクトに加わり、
マイクやスピーカーをも改良したとガルシアは語っている。
また動画エンコードチームも開発に加わり、
アプリチームが一丸となって、
アプリのために多くの見映えのいいボタンなどをデザインしたという。

FaceTimeは1,000万行にも及ぶコードで書かれており、
スティーブ・ジョブズはその初期の原形をあまり好きではなかったという。
というのは、インストールにかなり複雑な手順が必要となっていたためだった。
ジョブズはFaceTimeをすぐに使えるか、
そのまま通話アプリから直接使えるようにするかどちらかにするように要求したという。
結局ジョブズの要求通り、最終的には電話アプリから直接使えるようになったのは周知の通りだ。

更にAppleはプロジェクトの初めから、
FaceTimeで使われた動画が記録や保存されないように求めていた。
というのも、FaceTimeを使用するユーザのプライバシーとセキュリティを守るためだったという。
ガルシアは、「私も私のビデオチャットを誰にも記録されたくないし見られたくもない、
だから私も私のチームはセキュリティとプライバシーの問題については非常に真面目に取り組んだ」
と語っている。

その後FaceTimeは開放を重ね、
今ではSkypeのような双方向動画チャットの標準プラットフォームとなっているのは皆さんご存じの通りだ。

全然関係ないが、個人的にはロバート・ガルシアと聞くとSNK(NEO・GEO)の龍虎の拳の主人公で、リョウ・サカザキのライバルを思い出してしまう。。笑

記事は以上。

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