本日のApple Insiderの報道によると、スペシャルな【Apple I】が今月15日、クリスティーズ・オークション(Christie’s auction)に登場して競売にかけられることがわかりました。なぜスペシャルなのかというと、それはそのApple Iが正常に動作するからだけではなく、最初の所有者によって特別なカスタマイズがされているからというのです。では、どんなカスタマイズがされているのでしょうか?
【Apple I】は、現在のAppleの前身で、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)やスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)らによって設立されたApple Computer(アップル・コンピュータ)の初めての製品です。1976年リリースのため40年前の製品ということになります。
クリスティーズ・オークションの紹介によれば、今回のスペシャルな【Apple I】は、緑色の金属のケースに入っていて、12KBのRAMが搭載されているそうです。ちなみに通常版は8KB RAMなので、かなり拡張されていることがわかります。また更にインテル(Intel)の初代1702 EPROM(erasable programmable read-only memory、削除可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ)チップも追加されています。それによってコンピュータが起動後すぐにプログラムを実行できるようになり、先にRAMにプログラムのデータを移す必要がなくなるそうです。
最近の【Apple I】の落札価格から鑑みると、今回のスペシャルな【Apple I】も落札価格はだいたい30万〜50万米ドル(約3,300万円〜5,500万円)程になるのではないかとみられています。ちなみに1976年、発売当時は同製品の販売価格はたったの666.66ドルでした。
【Apple I】そのものはほぼ全てスティーブ・ウォズニアック1人によって設計され、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックら自身の手によって200台ほどが組み立てられました。当時、コンピュータはまさに「コンピュータ愛好家」達のために、部品レベルで提供され、自身で組み立てる方式がメインだったのです、【Apple I】は30個の部品やチップがロジックボード(基板)上に組み上がった状態で販売されました。というわけで買った人は自分で筐体(シャーシ)や電源アダプタ、キーボード、ディスプレイを用意しなければなりませんでした。
現存する大多数の【Apple I】は既に動作しなくなっています。一部は公共施設や博物館(例えばスミソニアン博物館等)に展示されていますが、その他は様々な形式で今でもこの世に存在していると言われています。ちなみに全部で200台しか製造されなかった【Apple I】ですが、現存するのはその4分の1の約50台程度だといわれています。今回オークションに登場したスペシャルカスタマイズされた【Apple I】もそのうちの1つですが、さて、どのくらいの値段がつくのでしょうか?楽しみですね。
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(記事情報元:Apple Insider)