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ロシアとの因縁の始まり?スティーブ・ジョブズは31年前にモスクワを訪問していた

Appleを含むアメリカの企業にとって、アメリカの独立記念日の7月4日は建国記念の休日となる。昨日が、そうだった。しかし、31年前の独立記念日(7月4日)、当時既にMacintoshの成功で世界中の注目を集めていたあのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は、その日に休暇をとらず、海外出張の日とした

1985年7月4日、ジョブズは初めてロシアのモスクワを訪れた。そしてこれがジョブズにとってモスクワを訪れたのは最初で最後となった。そしてその目的とは。。Macintoshの製造工場を作るためだったのだ。

Photo: Ste Smith/Cult of Mac

しかし結局、当時のソ連とアメリカの関係はまだ冷戦状態で緊張しており、ジョブズの提案は当局の許可が下りなかったジョブズの工場建設の交渉は失敗したのである。それ以来Appleはソ連、そして現在のロシアで工場を建設するという行動に出ていない。

しかしその海外出張はジョブズにとっては忘れられない旅となったようだ。なぜなら当時ジョブズはApple(当時はまだApple Computer、アップルコンピュータ)内部で力を失い始めており、ジョブズが自ら呼び込んだ当時のApple ComputerのCEO、ジョン・スカリー(John Sculley)との権力争いでスカリーの方が権限が大きくなっていた落胆していたジョブズは、海外に出て自分の心を穏やかにする必要があると考えたのだ。モスクワに行く前後に、ジョブズはフランスのパリとイタリアのトスカーナにも行っている。そしてモスクワに2日滞在したことで、ジョブズはアメリカでFBIの調査を受ける羽目になったという。

今でも、Appleのロシアでの業務展開は思い通りにいっているとはいえない状態だ。かつてロシア政府はAppleに、全てのユーザのデータをロシア内に保存しアメリカには引き渡さないようにしないと、iPhone等の製品をロシアで販売禁止にするという難癖を付けたり、ソースコードの公開を求めたりしたこともある。

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画蛇添足 One more thing…

ちなみに、現在Apple WatchやiPhoneのレンズカバーに使われているサファイアガラスは、実は既にロシアから調達していることがわかっている。Apple製品の直接の製造工場はロシアにはないが、Appleの部品レベルの調達はロシアでも既に行われている。

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またロシアではルーブルの下落によってiPhoneの値段が相対的に一気に下がったことから、一時期世界中から転売屋が押し寄せたり、その後の価格調整でiPhone1台で家が一軒買える値段になるなどの珍ニュースもあった。

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ジョブズとロシア(当時はソ連だったが)の因縁は今でも続いているようである。

しかしAppleのiPhone等の最大の組立協力工場であるフォックスコン(Foxconn、富士康)の親会社で、シャープを買収したことで日本でも非常に話題になったホンハイ(Hon Hai、鴻海)は、ロシアの最先端技術開発センターに恐らく有機ELディスプレイのための研究所を作ることに合意し、既に工場の建設が始まっている。

2ヶ月前に台湾のホンハイ(Hon Hai、鴻海)が日本のシャープ(SHARP)を買収したことで大きくニュースになったが、この大型買収によって、ホンハイとその中国法人のフォックスコン(Foxconn、富士康)はディスプレイ技術を手にし、将来的にはAppleに直接ディスプレイを提供するサプライヤーの1つになるかもしれない。ホンハイにとってはこれまでの単なる組立工場、労働集約型企業からの脱却という悲願の成就となるだろう。そしてそんなホンハイにまた新しい動きがあった。
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Appleはまた別の形でロシアと新しい関係を結ぶかもしれない。。その時にはジョブズの因縁が終わりを告げるだろう。

記事は以上。

(記事情報元:Cult of Mac

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