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ディスプレイ修理が高速化!iPhoneの3D Touch校正(キャリブレーション)、今後はソフトウェアで可能に

Appleはこれまで、Apple Store(直営店)や公認サービスプロバイダにおいて、ディスプレイ修理後のiPhoneの3D Touch位置のキャリブレーション(校正)をするために専用の装置を用意してきました。しかし、2日前の海外メディアiMoreの報道によると、リークしたApple内部のサービスに関する文書から、今後その専用装置「3Dキャリブレーション フィクスチャー」を使わなくてもよくなったことがわかりました。

ジーニアスバー(Genius Bar)や公認サービスプロバイダにおいて、iPhone 6sかそれより新しい端末であれば、Appleのキャリブレーション(校正)診断プログラムが作動しているMac miniまたはMacBook Airにキャリブレーションを行いたいiPhoneを接続すると、自動的に3D Touchのキャリブレーションが行えるようになったのです。

iPhoneの3D Touch キャリブレーション用装置「3Dキャリブレーション フィクスチャー」

Appleは、今回の変化が、サービスプロバイダにとっても消費者にとっても、以下の3つの利点があるとしています。

  1. サービスプロバイダはこれまでキャリブレーション装置で多くのスペースが取られていたが、それがなくなることで更に多くの自由なスペースを確保できる。
  2. お客様をお待たせする時間を減らすことができる。これは、ソフトウェアによるキャリブレーションのプロセスが更に速くなることを意味する。
  3. 今年の終わり頃には、世界各地で更に多くの公認サービスプロバイダの店内において、iPhoneのディスプレイ修理を受け付けられるようになる。

上記の通告はiMoreによって公開されましたが、具体的な操作手順などはAppleが後日、Apple StoreのGenuis Barや公認サービスプロバイダに通知する予定とのことです。なお、現在Apple公認サービスプロバイダが所有している3D Touchキャリブレーション装置(3Dキャリブレーション フィクスチャー)はAppleから貸与されているものですが、Appleに返却しなければならないということです。

iPhoneのディスプレイパネルのキャリブレーションは、交換したディスプレイとロジックボード間での位置調整をするためのもので、2013年にiPhone 5sでTouch IDが導入されてからAppleより貸与され、不可欠なものとなりました。そしてiPhone 6sで3D Touchが導入され、iPhone XでFace IDが導入されましたが、これらにも全てキャリブレーションが必要です。キャリブレーションが完了しないと、これらが正常に動作しないようになっています。

Appleはこれまで、既にFace IDとTouch IDのキャリブレーションをソフトウェアで行えるようにしてきました。そして今回、残りの3D Touchについてもソフトウェアでのキャリブレーションを可能にして、全てのキャリブレーションがソフトウェアでできるようになった、というわけです。

しかも、3Dキャリブレーション フィクスチャー装置では、これまで1台のキャリブレーションに30分もかかっていたのが、ソフトウェアによる校正ではその時間が短縮されているようです。更に、この装置は一部のサービスプロバイダにしか配布されていなかったのですが、今後はソフトウェアになるのでどの店舗にも置くことができます。店員の証言によるとまるで裏庭に置くような巨大な装置と、しかも毎回指定の奇妙な液体を入れなければいけないという厄介な装置ともおさらばということであれば、これは確かにGenius Barや公認サービスプロバイダ、そして消費者にとっては朗報ですね。

なお、今回発表された新型iPhone XRには3D Touchは搭載されていません(代わりにHaptic Touch=ハプティックタッチという表記になっています)。また、あまり3D Touchが利用されていないということから、Appleは今後のiPhoneから3D Touchそのものを廃止するという噂もあります。私も殆ど長押しで代用できるんじゃないかと思っていましたが、ゲームや描画などで圧力を感知するようなアプリでは確かに必要なものが多く、すぐに廃止するのは難しいのかもしれません。Appleは何か代わりの方法を見つけるのかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:iMore via MacRumors

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