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アンジェラ・アーレンツSVP:Apple直営店の従業員離職率は驚異的に低い15%など、興味深いデータを公開

Appleのリテール(小売り)担当のアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)が、先日メディアのインタビューに答え、今週からApple直営店(Apple Store)やApple公式サイトで始まった”Today at Apple”イベントについて宣伝を行った。

LinkedInの編集長、ダニエル・ロート(Daniel Roth)との談話の中で、アーレンツ氏は小売業界で揉まれる中で、Appleの小売りは成功を収めたと語っている。インタビューの中で多くの興味深いデータが紹介されていて、9to5Macがかいつまんで紹介しているので当ブログでも日本語でご紹介したい。

インタビューに答えるアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)氏。元バーバリー(BURBERRY)のCEOとしても有名

 

Apple Store、驚異的な離職率の低さ

アーレンツ氏はインタビューで、Appleの小売の売上は前四半期に比べ18%成長し、小売店舗は67,000人の従業員を抱え、離職率は15%(保留率85%)で、業界平均の離職率80%に比べると驚異的に低い数字であることを強調した。更にアメリカ合衆国内のApple Storeでは離職率が12%(保留率88%)と世界平均よりも低いことにも触れた。

 

従業員とのコミュニケーションを欠かさない

アーレンツ氏は、毎週3分間のビデオチャットで従業員とコミュニケーションをとっている。その際には、3つのアイデアについて話してもらうという。一部の従業員は積極的に従業員側からアーレンツ氏にビデオチャットを送って、自分のアイデアを伝えてくるという。Appleは新しいプラットフォーム”Today at Apple”イベントを作ることによって従業員全ての人生の物語のためになるように努力をしていると述べている。

 

従業員からも評価される

そして従業員からのフィードバックを評価するため、Apple直営店では通常、顧客体験を評価するNPSを使って、従業員にもAppleでの仕事の体験を評価してもらうという。最終的な目標は、その評価において全ての従業員が友達にApple Storeで仕事をしてもらうように推薦できることで、それが小売店が成功する1つの指標だとアーレンツ氏は語る。

サンフランシスコ、ユニオンスクエアにあるAppleストアの新しいデザインコンセプト

 

毎月従業員から5000のアイデアを吸い上げて企業哲学を作り直す

アーレンツ氏は更に、Apple Storeでは「あなたのアイデアをシェアしよう」というプラットフォームで従業員が自分のアイデアをフィードバックすることを奨励し、毎月5,000のアイデアを出してもらっているという。

Appleは2,000のアイデアを収集するとそれを1,000個、463個と絞り込み、それを基に現在試している7つのバージョンの小売哲学を作り直すのだといい、このやり方はApple全体の価値観と一致しており、補助機能と企業精神の形成を激励するものだという。

ニューヨーク、ブルックリンのWilliamsburgにあるAppleストアの新しいデザインコンセプト

 

年内に100店舗に新しいデザインコンセプトを適用、店舗面積拡大も

Apple Storeについて、アーレンツ氏は年内に100店舗に新しいコンセプトデザインを施すという。そしてアメリカ合衆国国内のApple Storeの半数がiPhoneがリリースされる前にオープンした、つまりそれらの店舗は規模を拡大しなければならないことを示しているという。毎年30〜35店舗に対して改修を行い、それによって一部の店舗の面積は従来の2倍から3倍ほど大きくなるという。

また”Today at Apple”の活動の一環として、Apple Storeでは座席の数を増やしたり、音響設備の改善を現在進めており、また30ヶ国400店舗で50,000個の照明設備を新たに設置したことを明らかにした。

なお、LinkedInによるインタビューの全編は、9to5Macの記事から動画で見ることができる(英語)。

 

小龍的にはこう思った

日本や中国のAppleストアの従業員離職率はどのくらいだろうか。日本では基本的に離職率は低いような気がするが、人材の流動性が高い中国では平均よりももっと高いのではないだろうか。

そしてApple Storeはファッション・貴金属・宝石業界を抜いて世界一の坪効率を誇る店舗でもある。それを成し遂げた秘訣は、店舗の優れた外観デザインもさることながら、Appleの企業文化を入ってきた顧客に伝えることに成功していること、また従業員の意見を細かくフィードバックさせるだけではなく実際にそれを経営哲学に取り込んでいることが挙げられるだろう。

記事は以上。

(記事情報元:9to5Mac

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