問題はいつ修正されるの?Apple Mapsはどこへ向かうのか

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以下は中国のメディアiFanrの記事の翻訳だ。

Apple_Maps_Connect4

Appleの”Mapgate(マップゲート)”を覚えているだろうか?2012年、AppleのMapsがリリースされた途端に風雨に見舞われ、めちゃくちゃなユーザ体験に多くの人が失望した。AllThingsDのWalt Mossbergは、Apple Mapsを”iPhone5の中で最も退化したもの”とこき下ろした。これについて、AppleのCEOティム・クック(Tim Cook)は公開謝罪を行い、”大変申し訳ない”と述べた。

事実、Appleはこれによって諦めておらず、Apple Mapsをここ2年間もくもくと改良してきた。報道によれば、AppleはMapsのために大量の更新のアイデアを出しているという。それには更に詳細なデータ、より多くのPOI、空港・高速道路・公園等のポイントをもっと優れたアイコンで示す、もっと簡潔な地図、公共交通網(バス、地下鉄、電車)の実現などの準備してきている。将来的には更にリアリティを強化し、付近のポイントの表示などもできるようになるという(Nokiaのシティ・カレイドスコープのような)。

これらは全て”計画中”で、具体的なタイムスケジュールは我々に示されていない。しかし昨日、Appleマップには1つ新しい機能が追加され、それによって未来のAppleマップの展開について想像ができるようになった。

Apple_Maps_Connect

新機能の名前は”Maps Connect“、中小企業ユーザ向けのサービスだ。これによって誰もがAppleマップの上にすぐにビジネスインフォメーションを載せることができ、更にその説明を書くこともできる。つまり、Appleはビジネスユーザをマップデータの更新と蓄積に参加させたということになる。

Apple_Maps_Connect2

このサービスは完全に無料で、Apple IDがあればログイン可能だ。位置の修正、電話、店舗の名称、営業時間等の情報を記入すればよい。また更に細かい情報も表示させることができる。例えばその場所のオフィシャルサイトやSNSでのアカウント等。

当然、情報の信頼性を保証するために、Appleは電話やメールでそれを確認し、PINコードを発行し、審査を経てからサービスを開始する。今のところ、Maps Connectは米国のみ使用可能となっている。

このような大衆参加型データはAppleマップが追い掛けている”業界の慣例”だ。Googleマップを含む地図業者は、殆どが同様の方法で地図データを収集している。以前、Appleマップもビジネスインフォメーションを集めていたが、正確性が足りず、特に名前が似通っているチェーン系のレストランなどは問題があった。Maps Connectは疑問の余地無く、ビジネスユーザの情報の正確性と完全性を保証するものだ。

データはマップの中で最も重要なところで、今回Appleはようやく”正しい道”を歩み始めたといえる。競争相手のGoogleマップのメインエンジニアのMichael Weiss-Malikはデータの重要性についてこのように語っている

「もし地図を作りたかったら、なるべく多くのサプライヤーからデータソースを収集した方がいい。例えばGPS、水域や公園等の情報だ。これらの考えもつかないようなもの、郵便番号のような留まることを知らないような情報も全てできるだけ取得することだ」

Appleマップは既に誹りと非難を飽きるほど浴びているが、しかしずっと声を潜めつつ拡張を続け、飛躍的な発展を求めている。昨年、Appleは5つのマップに関わる企業を買収した。去年のAppleの企業買収は全部で13社しかなかったことを考えると相当な割合だ。

市場シェアにおいては、Appleマップはその最初のあのユーザ体験ほどめちゃくちゃではない。comScoreのレポートによれば、米国ではAppleマップはGoogle Mapsの市場を侵食しているところだ。2013年9月、全部で3,500万人のiPhoneユーザがAppleマップを使用しており、競争相手の2,300万人のユーザをもぎとったことになる。同時に、英国ではGoogleマップのシェアが17.6%下がり、Appleは60.2%にもなっている。

GPSについてはモバイルインターネットの重要な入り口となる。Appleにとってみれば、マップは全体の戦略の中でその一挙手一投足が曲面を左右するほど重要なものだ。なぜなら、マップがもたらす付加価値は非常に高いからだ。iOSデバイスがもしスマートカーと結びつくのであれば、カーナビは必ず備わっていなければならない機能だ。iBeaconsというテクノロジーも、GPSの位置と密接な関係を持っている。そしてモバイルペイメント(Apple Pay)も、当然位置情報とライフサービスを結びつけたものだ。

AppleマップはiOSという安定して巨大なエコシステムをバックに、更に高いアクティブ性と付加価値を持っており、この点についてはAndroidよりも優勢だ。まとめると、Appleには成功の条件が備わっており、将来の発展には希望が持てるということだ。

画蛇添足:iOS8に間に合わせて欲しかった。iOS9に期待するしか?

マップゲートの責任をとらされる形で、AppleのiOSの父と呼ばれ、OS X 10.5 Leopardの開発責任者もでもあった当時の上級副社長、スコット・フォーストール(Scott Fastall)が辞任に追い込まれた。彼自身はスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)のNeXT時代からの子飼いの部下で、彼はジョブズとの関係を鼻にかけていたために他の幹部から疎まれていたともいわれるが、このiOSとOS XというMacの屋台骨(現在では遺産とでも呼ぶべきか)を作り出した人がマップアプリ1つごときで会社を追われるとは勿体ないことをしたかもしれない。

スコット・フォーストールはiPhone OS 1からiOS6まで、スキューモーフィズムのデザインを推し進め、フラットデザインの導入に反対だったといわれている。彼がいるうちはiOSの全体デザインが大きく変わることはなかったが、彼が去った後、ジョニー・アイブ(Jony Ive)がiOS7のためにフラットデザインを導入してがらっと見た目を変えた。現在ではスキューモーフィズムはもっさりして見えてしまう。

話が逸れたが、MapsはアップルのiOSの歴史の中で最も失敗した例だったかもしれない。日本でもパチンコガンダム駅などで有名となった。現在でも米国や英国ではない国や地域、特にアジアの日本、中国、香港、ベトナム等では自分が使っても圧倒的な情報不足を感じる。相当本腰を入れて改良しないと、ますますユーザは離れて行ってしまうかもしれない。

そしてMapsの改良がiOS8に間に合わなかったのは悲しかった。iOS9ではそれなりにまともに使えるようになっているだろうか?

記事は以上。

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