今後Appleから新しい”i”製品は登場しない?ブランド戦略を変更した理由とは

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Appleはもうここ4年ほど”i”から始まる製品やサービスをリリースしていない。これからは”Apple”から始まる製品やサービスしかリリースされない可能性が高い。

Apple-Pay

去年2014年が”i”ブランド戦略の終焉がはっきり見えた1年となった

去年、Appleには思いもよらないことが起こった。様々な方面で、2014年は”i”ブランドが終了していく年となったのだ。

去年、Appleは数年来で初めて”新ジャンル”の製品やサービスをリリースした。Appleの初めての腕時計・ウォッチ製品は【Apple Watch】と名付けられ、【iWatch】とはなかった。同様にAppleの初めてのモバイルペイメントサービスは【Apple Pay】となり、【iPay】ではなかった。そしてAppleの初めてのストリーミングミュージックサービスは【Apple Music】で、【iMusic】ではない。

Appleが最後に”i”ブランドの製品をリリースしたのは4年前で、2011年の【iCloud】が最後となっている。

Googleのブランド命名戦略切り替えが成功

実はブランド戦略についてはGoogleの方が先に切り替え、成功している。以前、GoogleはサービスにGoogleの頭文字のGをつけるブランド戦略を採用していた。例えば【Gtalk】や【Gmail】などだ。しかしGoogleはその後臨機応変に【Google+製品/サービス】にブランド戦略を切り替えた。もちろんGoogleはAndroidに関する多くの商標を所有しているが、Googleのフラッグシップ製品の上にはやはり【Google+製品/サービス】のブランド戦略が使用されている

AppleがGoogleのように命名戦略を切り替えることが正しい理由

ではAppleがGoogleと同様の戦略をとることは果たして正しい道なのだろうのか

実はこのようなブランド戦略の方が持続的な発展に有利なのだ。だから正しいといえる。

Appleに復帰したスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がもたらした初代iMacが初めてApple製品に”i”ブランドが使われた製品となった。リリース時期は1998年で、もう17年も前ということになる。この17年間、市場にはどれだけAppleと全く関係ない”i”製品やサービスが登場しただろうか?あまりに多すぎて数え切れないほどだ実はこれが大問題なのだ。なぜならある単語の前に”i”をつけることは誰にでもできることで、Appleは辞書に載っている単語に片っ端から”i”をつけて商標を守るわけにはいかないからだ。しかも、全くAppleと関係ない粗悪な”i”ブランド製品まで、Appleの製品と勘違いされてしまう可能性さえある。

単語の前に”i”をつけるようなやり方は無限再生が可能なやり方だ。しかし長い間それが続くと”i”ブランドが”希釈化”してしまう。Appleはそのような効果を望まず、Apple自身とは何の関係もない”i”製品とは一切関連づけられたくないと考えた。そのため、【Apple+製品/サービス】というもっといいやり方で、ブランドや商標を保護する方法に切り替えたのだ。Appleはそうすることによって、うちは他とは違うということを更に強調できるようになった。

中国での”iPad”商標で痛い目に遭ったApple、これが”i”ブランドの終焉のタイミングに

【iPad】がAppleの最後の”i”ブランドを使ったハードウェア製品だ。しかし誰もがAppleが”iPad”をリリースする前に、中国のProview(唯冠)という会社がこの商標を保有していたことを知らなかっただろう。その後両社の争いは法廷に持ち込まれ、最終的に2012年にAppleは6000万米ドルを賠償金として支払うことで決着した。

この事件は、Appleが”i”を捨てるいいタイミングとなったようだ。Appleがその後ハードウェア製品として”i”ブランドを使わなかったのは偶然ではないだろう。

iMacの名称提案者が、Apple PhoneやApple Padの名称を提案?

マーケティング顧問のKen Segallは【iMac】の名前を提案した人といわれているが、その彼は去年、Appleに現在のブランド戦略を切り替え全て新しいフォーマットにするべきだと指摘したともいわれている。例えば【iPhone】の代わりに【Apple Phone】、【iPad】の代わりに【Apple Pad】など。

恐らく上記のような名称の変更が行われる可能性は低いだろう。なぜならAppleのこれらの”i”ブランド製品の世界的な知名度・認知度は非常に高く、それを容易に変更するのはブランド戦略上好ましくないからだ。Googleも現在でもGmailはGを頭文字にしたまま残していることからもわかるだろう。

今後”i”ブランド製品はAppleからリリースされることはなさそう

しかし将来的には、”i”ブランドに残された時間は長くなさそうだ。まだまだ多くのメディアや一般人はApple製品に”i”をつけて呼びたがる癖が残っているのは確かだが(例えば上記の【iWatch】、そして【iTouch】などはApple Storeを訪れる一般客がよくそう思い込んで店員に向かって使っているという。またメディアでもAppleが開発中と噂されている電気自動車プロジェクト”Titan”のリリース後の名称を【iCar】と書いているところもあるほどだ。本来は【Apple Car】となるはず)。

画蛇添足 One more thing…

個人的にはスティーブ・ジョブズが始めて成功した”i”ブランドの製品・サービスが消えていくのはなんだかとても寂しい気もするが、Appleにとって会社の利益のためにはやはりその戦略は見直すべきというのもわかる。とても複雑な気分だ。。

記事は以上。

(記事情報元:cnBeta

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